かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:成長

そうそう今日、4階から2階に移動する時、いつものようにエレベーターのボタンを押して到着を待っていたら入所者のおじいさんに話しかけられた。
小さい子どもが来ることは珍しいのだろう。
「僕、可愛いなあ。いくつ?」
ハルちゃんが「ありがとうございます。2歳なんです」と答えた。
するとおじいさんは色々自分の孫のことやひ孫のことを話し始めた。
おじいさんと綿子さんとハルちゃんでまあまあ話がはずんでいた。
そこへエレベーターが到着しドアが開くとゆうくんが一目散に乗り込んだ。
「ちょっと待ってよ」とわたしも急いで乗り込んで開延長ボタンを押した。
ゆうくんはさっさと車いすの人でも押せる位置の②のボタンを押していた。
えっ?
凄いじゃん!
いつもここから乗り込んだら2階に行くって覚えてるのね。
ついこの間までは全部の階のボタンを押そうとするのを阻止しなければならなかったのに。
賢くなったもんだ。
ホントびっくりした。

思えばゆうくんは生後2か月の頃からここに通っている。
初めはベビーカーで来てたものね。
2年でこんなにも成長するのね。
感慨深い。
けど反対に綿子さんはこの2年でずい分老化が進んだよね。
歩けなくなったし、耳も遠くなったし。
茂造さんはあまりかわってないけどね。
時の流れを実感する出来事だった。
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綿子さんが仏壇のお参りを済ませリビングに戻るとちょうどハルちゃんとゆうくん、そして翔ちゃんがやってきた。
ほっ。
助かったー!
一気に場が明るくなった。
茂&綿を家に連れて帰る時にはいつもハルちゃんと翔ちゃんにヘルプをお願いしている。
人手は多い方がいい。
そして麦さんも来てくれた。
皆が来てくれて綿子さんもようやく笑顔になった。

弁当を取りに行っていたかつおさんも戻ってきた。
茂造さんも大勢、人がいると嬉しいようだ。
そして次第に色々思い出してきたようで、ようやく綿子さんのことを認識したようだった。

「あれ、綿ちゃんやろが?わしの奥さんやのぉ」

「そうやで」

「だいぶ思い出してきたわ」

「それは良かった」

「わしの頭はボロになってしもたんや。ようけ忘れてしもうたが。ほんまボロになってしもて」

この「ボロになってしもた」は何度も何度も繰り返していた。
一応、自覚はあるのね。

麦さんは綿子さんの顔を見に寄っただけで今日はすぐ帰るそうだ。
そりゃあお盆だし、麦さんも忙しいのだろう。
そんな中、わざわざ寄ってくれてありがたい。
麦さんが帰るというので皆で外まで見送りに行った。
茂造さんは歩くのが拙いので残った。
なのでわたしも残り、昼食の準備をした。

台所でテーブルに弁当を並べたりコップを並べていると茂造さんが「腹減ったが~」と言いながらやってきた。

「今、準備しよるからな。ちょっと待っとってな」

「おっ!美味そうや!」

「皆がそろってから食べようで。ちょっと待っとって」

「おう」

以前の茂造さんなら先に食べ始めていただろう。
いぶきの森で集団生活をして少しは周りに合わせることを覚えたようだ。
人間、いくつになっても成長できるものなのねぇ。

が、皆はなかなか戻ってこない。
名残惜しくてなかなか別れられないのかな?
茂造さんはお弁当を前にソワソワ、ソワソワ。
何度も時計を見上げて
「もう12時やから戻ってくるやろのぉ」
「もう12時過ぎたがー!なんしょんやろかのぉ」
「もう食べようか」

「みんなと一緒に食べんの?」

「そやな。待つわ」

そう言いながらも弁当のふたを開けてみたり、箸を手に取ってみたり、時計を眺めてみたりとホント落ち着かない。
なんだか必死で我慢している姿がなんだかかわいい(笑)
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そして11時半頃翔ちゃんがやって来た。
翔ちゃんには折り詰めを取りに寄ってもらっていたのでこの時間になった。
一気にリビングが賑やかになったがわたしは食事の準備があるので台所へ。

そして茂造さんが「腹がへったのぉ」と言い出したので急いで座敷に用意したテーブルに支度を始めた。
みんなにテーブルに着くように案内する。
座る位置は下図のとおり。
フォーメーション


あらかじめこう計画して準備していた。
これが綿子さんは気に入らない。
茂造さんの前が嫌なようだ。
「そしたら麦さんと入れ替えるわ」と言うと「それは悪いからこのままでええ」と渋々席に着いたのだった。
本当に面倒くさい。
そんなんだから忘れられるんじゃん。

折り詰めやコップを配りお茶を注いでいく。
こんな時茂造さんは待てない。
目の前に食べ物があったら一人先に食べ始めてしまう。
しかし今日は違っていた。

「みんな揃うまで待たないかん」

どうした⁈茂造さん!
急に普通の人みたいなことを言うのでみんな驚いた。
いぶきの森で集団生活を送るようになったからか?
人として成長しとるやん!
素晴らしい!
といっても普通の人は元から出来るのだが、茂造さんにはできなかったことだ。
本当に驚いた。
で、ちょっとだけフライングしたことは目を瞑ろう。

みんなのコップに飲み物を注ぎ、さあみんなで乾杯だ。

「ゆうくんの健やかな成長を願って乾杯!!」

皆「乾杯!!」

賑やかな会食が始まった。

続く

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