かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:持って帰る

綿子さんはひとしきりゴゾゴゾしてやっと落ち着いた。
と思ったら、トイレに行ったきりなかなか戻ってこない。
また何か物色しているようだ。
ようやく戻ってきたと思ったら手には靴が。
この靴、トイレ横の勝手口の下駄箱の中に入っていたものだ。
綿子さんがまだこの家で暮らしていた時に履いていた物なんだが、埃をかぶって汚れているし、踵はかなりちびている。
入所してからは施設が勧める『あゆみシューズ』を購入して、それをはいているので、もうこの靴の出番はないだろう。
もう処分してもいいようなものだったけど、何でもかんでも処分するのは躊躇われたので下駄箱に入れたままにしていたのだった。

綿「これ綺麗やからあそこに持って行こうと思うんや」

えっ?どこが綺麗なん?
ムッチャくたびれてますけど?

「いやいや、それより今履いとる靴の方がええやん。あれは足に合わせて買ったやつやで。施設が勧めるものなんやで。あれムッチャ高いんやで。せっかく高い靴買ったんやから、それ履いた方がええがな」

綿「えっ?そんなに高いんな?」

「そうやで。あれ8000円くらいするんやで」

綿「そなにするんな!」

「そうや。だからこんな古い靴履かんと、ええ靴履いたらええがな」

綿「そやな」

なんとか阻止出来たようだ。
やはり高価な値段が決め手だね。
やれやれ。
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そしてお昼ご飯の用意が整った。
あとは翔ちゃんが到着するのを待つばかり。
11時頃には来る予定だったのだが、寝坊したから遅れると連絡があった。
もう11時半だし、冷めないうちに食べてもらおう。
リビングへ声をかけに行った。
と同時に翔ちゃんがやって来た。

「こんちは!」

「兄ちゃん遅いやん!」

「すまん、すまん」

よかった、これで皆揃った。
が、綿子さんはポカンとしている。

綿「あれは誰?」

は?
誰ってあなたの大好きな翔ちゃんやん!!

「アニキやん。翔平やで」

綿「ええっ!!翔ちゃんか!」

かなりビックリしているが、こっちはそれにビックリだ。

綿「いや~ハルちゃんの旦那かと思うたわ~」

いやいやどう見ても翔ちゃんやん。

まあとにかくお昼にしよう。

「そしたら私はお暇するわ」

「えっ⁉いやいや、一緒に食べて行ってよ。もう用意しとるんや」

おいおい!前もって案内して無かったんかい!
まったくかつおさんは!

麦さんは悪いなぁと言いながらも残ってくれた。
良かった。
麦さんがいると楽しいし頼りになる。
話も弾み楽しく賑やかな食卓となった。
綿子さんも麦さんもどれも美味しいと喜んでくれた。
けれどやはり量が多かったようだ。
綿子さんにはウナギ半身を出したのだが、その半分を残して「これ持って帰って食べるわ」と言い出した。
そんな無茶な!
それを施設に持って帰っていつ食べるん?
食事の時に自分だけそれを出して食べるん?
それとも部屋でこそっと食べるん?
そんな事無理でしょ。
そもそも食べ物の持ち込みは禁止だ。

「アホ言うな!それは持っていけんぞ!」

綿「そんなこと言わんと」

やれやれまたこのやり取りかい!
勘弁してくれー!!
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