そして2階の茂造さんとところへ。
ガラス扉を抜ける前に、詰め所で茂造さんのストーマパウチを渡した。
今回から以前のツーピースのものだ。
ス「ありがとうございます。今のがあと数枚残ってるのでそれを使い切ってからこちらに替えますね。こちらは以前使ってたから大丈夫でしょう」
か「こっちの方が接着面も広いし、たぶんこれで漏れも減ると思うんです」
ス「そうですね。こっちの方が粘着力も強いですからね」
ホントこれで便汚染から解放されますように。
そしてガラス扉の中へ。
デイルームの指定席に茂造さんの姿はなかった。
が、廊下の奥から茂造さんの声が聞こえる。
部屋にいるようだ。
かつおさんは新しい部屋に行くのは初めてだ。
か「おお~ここか」
中に入ると茂造さんはベッドに寝転んで目を瞑ったまま何やら喋っていた。
隣の方はいなかった。
ちょっと安心。
茂造さんはなんとなく気配を感じたのか目を開けた。
かつおさんはとりあえず詰め所に入れ歯を受け取りに行った。
茂「家に連れて帰ってくれるんか?」
好「いや、それは出来んわ。かわりに美味しいもん持って来たで」
茂「帰りたいんや。車に乗せてくれんのやったら歩いてでも帰るわ」
ダメだ、今日は家に帰りたいモード全開のようだ。
困ったなぁ。
そこへかつおさんが入れ歯を持ってきたので
好「まあまあ、とりあえずこれ食べなよ」
栗おこわを出すと即行で食べ始めた。
茂「美味いのぉ~」
おこわが残り少なくなったところで柿も出した。
好「はい、これはデザートや」
聞いちゃあいないよね。
すかさず柿に箸がのびた。
茂「おお~美味いのぉ~」
栗おこわそっちのけで柿を一気に食べた。
ホント欲望のまま、素直な人だ。
栗おこわより甘い柿の方が好きなのね。
柿を食べ終わると残っていた栗おこわも残さず食べた。
満足したようだ。
また「家に帰ろうと思うんや」が始まった。
茂「連れて帰ってくれ」
か「それは出来ん」
茂「なんでや⁈」
か「先生が帰ってもええって言うたらな」
茂「ほな先生に聞きに行くわ」
か「今日は土曜日やから先生は居らんわ。月曜に聞いてみな」
茂「帰ってもええと思うわ」
か「いや、勝手には帰れんぞ」
茂「ほな歩いて帰るわ」
よっぽど帰りたいのね。
今日はひたすらこんなかんじの会話が続いた。
キリがないのでもう帰ろう。
か「そしたらじいさん稲刈りせないかんから帰るわ」
かつおさんは田んぼの用事と言えば別れやすいと考えている。
田んぼ=忙しいという事らしい。
が、今日の茂造さんの返しは想像を超えるものだった。
茂「は?稲刈り?今は麦刈りやろが!」
おいおい、今、何月やと思ってんだ?
けど話を合わす方が楽だ。
か「そうや、麦刈りやったわ。ほな忙しいから帰るわの」
茂「わしも一緒に帰って手伝うわ」
マジか!
手伝いが出来ると思っているのか?
足手まといにしかならないじゃん。
か「それはムリや」
茂「なんでや!出来るわ!」
か「じいさんコンバイン乗れんやろが。わしがちゃんと刈るから大丈夫や」
茂「ほうか」
かつおさんも少しは茂造さんのあしらい方が分かってきたようだ(笑)
茂「ほな、わし寝るわ」
か「おお、そうせえ」
好「ほなまたね」
ちょっと前に「最近以前の勢いが無くなってもう長くないかも」って言われ、でもそんな事はないだろうと半信半疑だったのだが、やはりそんな事は無いと確信した。
こりゃあまだまだ死なないね。

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今回から以前のツーピースのものだ。
ス「ありがとうございます。今のがあと数枚残ってるのでそれを使い切ってからこちらに替えますね。こちらは以前使ってたから大丈夫でしょう」
か「こっちの方が接着面も広いし、たぶんこれで漏れも減ると思うんです」
ス「そうですね。こっちの方が粘着力も強いですからね」
ホントこれで便汚染から解放されますように。
そしてガラス扉の中へ。
デイルームの指定席に茂造さんの姿はなかった。
が、廊下の奥から茂造さんの声が聞こえる。
部屋にいるようだ。
かつおさんは新しい部屋に行くのは初めてだ。
か「おお~ここか」
中に入ると茂造さんはベッドに寝転んで目を瞑ったまま何やら喋っていた。
隣の方はいなかった。
ちょっと安心。
茂造さんはなんとなく気配を感じたのか目を開けた。
かつおさんはとりあえず詰め所に入れ歯を受け取りに行った。
茂「家に連れて帰ってくれるんか?」
好「いや、それは出来んわ。かわりに美味しいもん持って来たで」
茂「帰りたいんや。車に乗せてくれんのやったら歩いてでも帰るわ」
ダメだ、今日は家に帰りたいモード全開のようだ。
困ったなぁ。
そこへかつおさんが入れ歯を持ってきたので
好「まあまあ、とりあえずこれ食べなよ」
栗おこわを出すと即行で食べ始めた。
茂「美味いのぉ~」
おこわが残り少なくなったところで柿も出した。
好「はい、これはデザートや」
聞いちゃあいないよね。
すかさず柿に箸がのびた。
茂「おお~美味いのぉ~」
栗おこわそっちのけで柿を一気に食べた。
ホント欲望のまま、素直な人だ。
栗おこわより甘い柿の方が好きなのね。
柿を食べ終わると残っていた栗おこわも残さず食べた。
満足したようだ。
また「家に帰ろうと思うんや」が始まった。
茂「連れて帰ってくれ」
か「それは出来ん」
茂「なんでや⁈」
か「先生が帰ってもええって言うたらな」
茂「ほな先生に聞きに行くわ」
か「今日は土曜日やから先生は居らんわ。月曜に聞いてみな」
茂「帰ってもええと思うわ」
か「いや、勝手には帰れんぞ」
茂「ほな歩いて帰るわ」
よっぽど帰りたいのね。
今日はひたすらこんなかんじの会話が続いた。
キリがないのでもう帰ろう。
か「そしたらじいさん稲刈りせないかんから帰るわ」
かつおさんは田んぼの用事と言えば別れやすいと考えている。
田んぼ=忙しいという事らしい。
が、今日の茂造さんの返しは想像を超えるものだった。
茂「は?稲刈り?今は麦刈りやろが!」
おいおい、今、何月やと思ってんだ?
けど話を合わす方が楽だ。
か「そうや、麦刈りやったわ。ほな忙しいから帰るわの」
茂「わしも一緒に帰って手伝うわ」
マジか!
手伝いが出来ると思っているのか?
足手まといにしかならないじゃん。
か「それはムリや」
茂「なんでや!出来るわ!」
か「じいさんコンバイン乗れんやろが。わしがちゃんと刈るから大丈夫や」
茂「ほうか」
かつおさんも少しは茂造さんのあしらい方が分かってきたようだ(笑)
茂「ほな、わし寝るわ」
か「おお、そうせえ」
好「ほなまたね」
ちょっと前に「最近以前の勢いが無くなってもう長くないかも」って言われ、でもそんな事はないだろうと半信半疑だったのだが、やはりそんな事は無いと確信した。
こりゃあまだまだ死なないね。

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