かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:栗おこわ

3月20日 金曜日 春分の日

かつおさんと買い物に出かけていたら、かつおさんの携帯に麦さんから電話がかかってきた。
栗おこわを持って綿子さんの面会に行ってきたそうだ。
先日の面会中、綿子さんが麦さんの栗おこわが食べたいと言ったので電話をかけたがあいにく出なかった。
その後、麦さんから折り返しがかかってきて、実は・・・と電話をかけたいきさつを話していた。
それで早速栗おこわを作って綿子さんに食べさせに行ってくれたのだ。
ほんと麦さんはフットワークが軽い!
ありがとうございます。
きっと綿子さんも喜んだことだろう。
麦さんも大分元気になった綿子さんを見て少しは安心したんじゃないかなと思う。

それで今日の電話はうちにも寄ろうと思ってかけてきたそうだ。
きっとうちの分の栗おこわも作ってくれたのだろう。
残念ながら遠方にいたためすぐ戻ることができず…。
美味しい栗おこわを貰い損ねてしまった。
残念。
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3月1日 日曜日

久しぶりに翔ちゃんが来たので今日もみんなで茂&綿の面会へ。
かつおさんと翔ちゃんとハルちゃんとゆうくんとわたしの5人だ。
綿子さんは大勢来たことに大喜び。
2日連続ということには気づいてない様子だ。
多分昨日の事は忘れているのだろう。

いつもの日向ぼっこスペースで面会したのだが、終始満面の笑みだった。
そこへ通りかかった看護師の大井さんが「あら今日は大勢来てくれとるやないの~、良かったなぁ綿子さん」と声をかけてくれた。
そして「せっかくだから写真撮ったらは?私が撮ってあげるわ」と言ってくれた。
そこでみんなで並んで撮ってもらうことに。
「マスク外していいですよ」と言ってくれたので久しぶりにみんな素顔で写真に納まった。
「今度焼いてくるわ」というと「うわ~楽しみや~」ととても喜んだ。
今日は最高の日になったね(笑)

翔ちゃんが「麦さんは時々来てくれよん?」と尋ねたら「来てない」と言う。
いやいや、半月前に来てくれたやん。
それも覚えてないのね。
とにかく短期記憶が弱っているのが分かる。
かつおさんは『麦さん』と聞いて「また栗おこわが食べたいの~」と言い出した。
綿子さんも「麦さんがよう栗おこわ作って持って来てくれよった。また食べたいのぉ」と言った。
かつおさんが「そしたら電話してみようか」と電話をかけた。
が、あいにくでない。
残念。
それじゃあと典さんに電話をかけたがこれまた出ない。
残念。
またの機会だね。

綿子さんの面会を終えるともう昼食の時間だった。
なので茂造さんは次回にしようといぶきの森を後にしたのだった。
茂造さんはもう翔ちゃんのことも分からないからね。
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次に2階の茂造さんのところへ。
今日も茂造さんは部屋で寝ていた。
同室の方もベッドで寝ているようだった。
仕切りのカーテンを閉めていたので顔は見えなかったが。

どうしよう?
隣もいる事だし、起こさず帰ろうかとも思ったが、先週も寝ていておやつを食べさせられなかったので、やっぱり起こすことにした。

「茂造さん、こんにちは。おこわ持って来たで」

「ほぉ」

入れ歯を渡し、栗おこわを渡した。

「美味いのぉ~!」

大きな声が出た。
隣の人が起きないかヒヤヒヤする。
けど大丈夫だった。
やはり耳が遠い方なのだろう。

そして今日の茂造さんは優等生!
「ありがとなぁ」を繰り返し、「気をつけて帰れよ」と言ってくれた。
いつもこうだといいのにね。

これで今日の仕事は全て完了!
はあ~やっとゆっくりできるよ~。
と思ったが、茂造さんの牛乳を届けるのを忘れたいたことに気づいた。
で、もう一度いぶきの森へ向かう事となったのだった…。
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家に戻り昼食の準備をしていたら麦さんがやってきた。
今日綿子さんが退院することは伝えていたのでお祝いに栗おこわを作って持って来てくれたのだ。
本当にありがたいことだ。

昼食を食べ終わると再びいぶきの森へ。
実は部屋で荷物の整理をしていた時にリハビリスタッフの方からクッションか座布団を持って来て欲しいと頼まれたのだ。
横向きに寝るときに足に挟むと痛みがマシになるそうだ。
そこで厚めの座布団とそれより少し小さい座布団と、あとぬいぐるみを用意した。
ちょっと挟むならぬいぐるみの方が扱いやすいかと思って。
昔UFOキャッチャーで取ったぬいぐるみがけっこうある。
その中から足に挟みやすそうなアイルーを持って行った。
それともちろん麦さんの栗おこわも持って行かなくっちゃ。

綿子さんは1階にいるものと思っていたのだが4階の部屋で寝ていた。
さすがに疲れてるよね。
今日の入浴は止めたようだ。
わたし達がベッドのそばに近寄ると目を開けた。
なので栗おこわを食べてもらった。

「これ麦さんが作って持って来てくれたんやで。退院祝いや」

綿「ん~」

どうも『麦さん』がピンとこないようだ。
ま、ここに戻ったからってそんなすぐに元通りにはならないか。
しかも寝起きだし。

座布団はどれがいいのか分からないのでしばらく使ってみて不要なものは持って帰ることにした。
それより綿子さんはアイルーのぬいぐるみを思いのほか喜んだ。

「これ、横向きに寝るときに足に挟んだら楽なんやって」

と言って渡したのだが、

綿「うわ~嬉しい~」

と抱きしめて胸の上に置いた。
えっ?
いや~、足に挟むために持って来たんだけど…。
ま、いっか。
えらく喜んで抱いてるし。
ぬいぐるみ一つでこんなに喜ぶなんて思っても無かった。
こんなことならもっと早く持って行けば良かった。
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そして2階の茂造さんとところへ。
ガラス扉を抜ける前に、詰め所で茂造さんのストーマパウチを渡した。
今回から以前のツーピースのものだ。

ス「ありがとうございます。今のがあと数枚残ってるのでそれを使い切ってからこちらに替えますね。こちらは以前使ってたから大丈夫でしょう」

「こっちの方が接着面も広いし、たぶんこれで漏れも減ると思うんです」

ス「そうですね。こっちの方が粘着力も強いですからね」

ホントこれで便汚染から解放されますように。

そしてガラス扉の中へ。
デイルームの指定席に茂造さんの姿はなかった。
が、廊下の奥から茂造さんの声が聞こえる。
部屋にいるようだ。
かつおさんは新しい部屋に行くのは初めてだ。

「おお~ここか」

中に入ると茂造さんはベッドに寝転んで目を瞑ったまま何やら喋っていた。
隣の方はいなかった。
ちょっと安心。

茂造さんはなんとなく気配を感じたのか目を開けた。
かつおさんはとりあえず詰め所に入れ歯を受け取りに行った。

「家に連れて帰ってくれるんか?」

「いや、それは出来んわ。かわりに美味しいもん持って来たで」

「帰りたいんや。車に乗せてくれんのやったら歩いてでも帰るわ」

ダメだ、今日は家に帰りたいモード全開のようだ。
困ったなぁ。
そこへかつおさんが入れ歯を持ってきたので

「まあまあ、とりあえずこれ食べなよ」

栗おこわを出すと即行で食べ始めた。

「美味いのぉ~」

おこわが残り少なくなったところで柿も出した。

「はい、これはデザートや」

聞いちゃあいないよね。
すかさず柿に箸がのびた。

「おお~美味いのぉ~」

栗おこわそっちのけで柿を一気に食べた。
ホント欲望のまま、素直な人だ。
栗おこわより甘い柿の方が好きなのね。

柿を食べ終わると残っていた栗おこわも残さず食べた。
満足したようだ。
また「家に帰ろうと思うんや」が始まった。
「連れて帰ってくれ」
「それは出来ん」
「なんでや⁈」
「先生が帰ってもええって言うたらな」
「ほな先生に聞きに行くわ」
「今日は土曜日やから先生は居らんわ。月曜に聞いてみな」
「帰ってもええと思うわ」
「いや、勝手には帰れんぞ」
「ほな歩いて帰るわ」
よっぽど帰りたいのね。
今日はひたすらこんなかんじの会話が続いた。
キリがないのでもう帰ろう。

「そしたらじいさん稲刈りせないかんから帰るわ」

かつおさんは田んぼの用事と言えば別れやすいと考えている。
田んぼ=忙しいという事らしい。
が、今日の茂造さんの返しは想像を超えるものだった。

「は?稲刈り?今は麦刈りやろが!」

おいおい、今、何月やと思ってんだ?
けど話を合わす方が楽だ。

「そうや、麦刈りやったわ。ほな忙しいから帰るわの」

「わしも一緒に帰って手伝うわ」

マジか!
手伝いが出来ると思っているのか?
足手まといにしかならないじゃん。

「それはムリや」

「なんでや!出来るわ!」

「じいさんコンバイン乗れんやろが。わしがちゃんと刈るから大丈夫や」

「ほうか」

かつおさんも少しは茂造さんのあしらい方が分かってきたようだ(笑)

「ほな、わし寝るわ」

「おお、そうせえ」

「ほなまたね」

ちょっと前に「最近以前の勢いが無くなってもう長くないかも」って言われ、でもそんな事はないだろうと半信半疑だったのだが、やはりそんな事は無いと確信した。
こりゃあまだまだ死なないね。
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