かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:栗おこわ

そして2階の茂造さんとところへ。
ガラス扉を抜ける前に、詰め所で茂造さんのストーマパウチを渡した。
今回から以前のツーピースのものだ。

ス「ありがとうございます。今のがあと数枚残ってるのでそれを使い切ってからこちらに替えますね。こちらは以前使ってたから大丈夫でしょう」

「こっちの方が接着面も広いし、たぶんこれで漏れも減ると思うんです」

ス「そうですね。こっちの方が粘着力も強いですからね」

ホントこれで便汚染から解放されますように。

そしてガラス扉の中へ。
デイルームの指定席に茂造さんの姿はなかった。
が、廊下の奥から茂造さんの声が聞こえる。
部屋にいるようだ。
かつおさんは新しい部屋に行くのは初めてだ。

「おお~ここか」

中に入ると茂造さんはベッドに寝転んで目を瞑ったまま何やら喋っていた。
隣の方はいなかった。
ちょっと安心。

茂造さんはなんとなく気配を感じたのか目を開けた。
かつおさんはとりあえず詰め所に入れ歯を受け取りに行った。

「家に連れて帰ってくれるんか?」

「いや、それは出来んわ。かわりに美味しいもん持って来たで」

「帰りたいんや。車に乗せてくれんのやったら歩いてでも帰るわ」

ダメだ、今日は家に帰りたいモード全開のようだ。
困ったなぁ。
そこへかつおさんが入れ歯を持ってきたので

「まあまあ、とりあえずこれ食べなよ」

栗おこわを出すと即行で食べ始めた。

「美味いのぉ~」

おこわが残り少なくなったところで柿も出した。

「はい、これはデザートや」

聞いちゃあいないよね。
すかさず柿に箸がのびた。

「おお~美味いのぉ~」

栗おこわそっちのけで柿を一気に食べた。
ホント欲望のまま、素直な人だ。
栗おこわより甘い柿の方が好きなのね。

柿を食べ終わると残っていた栗おこわも残さず食べた。
満足したようだ。
また「家に帰ろうと思うんや」が始まった。
「連れて帰ってくれ」
「それは出来ん」
「なんでや⁈」
「先生が帰ってもええって言うたらな」
「ほな先生に聞きに行くわ」
「今日は土曜日やから先生は居らんわ。月曜に聞いてみな」
「帰ってもええと思うわ」
「いや、勝手には帰れんぞ」
「ほな歩いて帰るわ」
よっぽど帰りたいのね。
今日はひたすらこんなかんじの会話が続いた。
キリがないのでもう帰ろう。

「そしたらじいさん稲刈りせないかんから帰るわ」

かつおさんは田んぼの用事と言えば別れやすいと考えている。
田んぼ=忙しいという事らしい。
が、今日の茂造さんの返しは想像を超えるものだった。

「は?稲刈り?今は麦刈りやろが!」

おいおい、今、何月やと思ってんだ?
けど話を合わす方が楽だ。

「そうや、麦刈りやったわ。ほな忙しいから帰るわの」

「わしも一緒に帰って手伝うわ」

マジか!
手伝いが出来ると思っているのか?
足手まといにしかならないじゃん。

「それはムリや」

「なんでや!出来るわ!」

「じいさんコンバイン乗れんやろが。わしがちゃんと刈るから大丈夫や」

「ほうか」

かつおさんも少しは茂造さんのあしらい方が分かってきたようだ(笑)

「ほな、わし寝るわ」

「おお、そうせえ」

「ほなまたね」

ちょっと前に「最近以前の勢いが無くなってもう長くないかも」って言われ、でもそんな事はないだろうと半信半疑だったのだが、やはりそんな事は無いと確信した。
こりゃあまだまだ死なないね。
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午後からかつおさんと茂&綿の面会へ。
ハッキリ言って今日は綿子さんに会いたくない。
優しく出来る気がしない。
それはかつおさんも同様のようだ。
おやつを準備していたのだが元々は柿を持って行こうと買ってきていた。
が、麦さんが栗おこわを持って来てくれたのでそれを一人分ずつタッパーに詰めた。

「柿はどうする?」

「せっかくやからじいさんに持って行こうや。ババアは無し!」

うん、そうしよう。

いぶきの森に向かいながら、先日の調査員の前での綿子さんの振る舞いについては一応、本人に文句を言おうと話し合った。
自分が行ったことの意味を理解してもらわないと。
そのせいでここに居られなくなるかもしれないという事を伝えないとね。
けれど返って家に帰れると喜ぶかしら?

いぶきの森に着き、まずは1階ロビーで綿子さんとの面会から。
とりあえず栗おこわを出して麦さんからだと伝えた。
後はいつもなら色々話を振るのだけど、今日はそんな気になれず。
気を遣う事を止め、放置していたら無言の時間が過ぎる。
で、やっとかつおさんが喋り始めた。

「ばあさん、こないだは何や。あんな何でも出来るみたいにしたらイカンやろが。いつもは立ち上がる時にヨロヨロするくせに、こないだはスッと立っとったやないか!わしビックリしたわ。いつもと全然違うかったやないか。なんで調査員の前であんなことするんや?なんでも一人で出来ると思われたら、ここに居れんようになるんやぞ」

こうして文字で見るとかつおさんがかなり激しく攻め立てたように思えるかもしれないが、実際は割と優しく気を遣いながらしゃべっていた。
綿子さんはかつおさんが何のことを言っているのか理解してない様子。
ポカンとしている。

「ほら、こないだ色々質問しに来た人がおったやろが」

綿「おお~。こないだ見たことない男の人が来とったのぉ」

「はぁ~?男?違うわ!女の人やが」

さっぱり話がかみ合わない。

「こないだ女の人が来てばあさんに「立ってみてください」とか「手をあげてください」とか言うとったやろが」

綿「あぁ~」

「その時のことやが。ここの人に「何でも出来るって言うたらいかんで」って言われとったやろが。なんでいつも出来んことまでやって見せるんや!」

綿「・・・」

「わしもビックリしたわ。曜日を聞かれてもスラスラ答えるし」

綿「・・・」

「要介護が外れて要支援になったらここに居れんのやぞ。どうするんや?一人でやっていけるんか?ほんまに何であんなことしたんや」

綿「ええとこ見せたいが」

ガクッ!!
何それ!
勘弁してよ!

見栄を張った後のことは想像できないのか?
やはり痴呆が進んでいるという事なのか?
そこのところを調査員の方にぜひ気付いてもらいたいものだ。
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10月4日 土曜日

朝、麦さんがお米を取りにやってきた。
タイミングが悪くちょうどかつおさんが田んぼへ出かけていたので戻ってくるのを待つことに。
わたしと麦さんでは30㎏の袋を運べないもの。

麦さんはお手製の栗おこわを持って来てくれた。

「ありがとうございます。午後から綿子さんの面会に行くから持って行って食べさせますね」

「綿ちゃんどうなん?」

「パーキンソンの事は聞きました?」

「こないだかつおちゃんから聞いたわ。絶対、退所やしたらいかんで。家に戻ってどうやって生活するんな。かつおちゃんや好子さんの負担が増えるばっかりやがな。もうな、治療せんでええがな」

ありがたい。
わたし達の考えに賛成してくれている。

「ところでどんな様子か動画は見た?」

「え、見てないわ」

かつおさんとは電話で話しただけだったのね。
そこで綿子さんの様子を撮影した動画を見てもらった。

「うわ~これ勝手に動いとるんやろ?」

「そうみたい。本人は自覚無くって、動いとることにもあまり気付いてないみたいなんや」

「やっぱりあそこを出るのはイカンわ。こんなのに一人では無理や」

「おばさんもそう思います?けどね、この間、介護認定の更新があって、調査員が聞きとりに来たんですけどね」

先日の聞き取り時の様子を話すと麦さんも驚いていた。

「出来る、出来る言わんと出来ませんって言うとけばええのに。あそこに居れんようになったらどうするんよ、なぁ!家に戻ることになったら結局自分が困るのに」

さすが麦さん、ちゃんと分かってらっしゃる!
けど麦さんももう82歳。
近い将来、介護認定を受けるときはこれを思い出して見栄を張らないように気をつけてくださいね。
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3月20日 木曜日

今日は春分の日で祝日だがわたしの勤める会社は出勤日。
なのでかつおさんが一人で茂&綿の面会に行った。

前日、麦さんからかつおさんに「昼前に伺います」と連絡があったそうだ。
栗おこわを持って行くから綿ちゃんに食べさせてあげて欲しいとの事だ。
多分お彼岸だからだろう。
かつおさんはせっかくなら一緒に面会に行こうと誘ったが麦さんは忙しいようでまた今度という事になったそうだ。
そんな事情があって週の半ば、しかも一人で面会に行ったのだった。

綿子さんには麦さんの特製栗おこわをお茶椀一杯分タッパーに詰めて持って行ったそうだ。
綿子さんは「うわ~嬉しい~。美味しいわ~」と喜んで食べたそうだ。
かつおさんはその様子をビデオ通話で麦さんとつないで見てもらい、話しをさせたそうだ。
かつおさんにしては気が利くじゃん!!
二人に喜んでもらえたようでなにより。

そして茂造さんには家にあったハラダのラスクやモロゾフのリーフクッキーを持って行ったそうだ。
えっ?栗おこわは?
綿子さんに持って行った残りの栗おこわはかつおさんとわたしが晩ご飯に食べるために取っておいたそうだ。
「麦さんは綿ちゃんに食べさせてやってって言うただけで、じいさんにも食べさせてやってくれとは言わんかったから」だそうだ。
麦さんの栗おこわホント美味しいもんね。
かつおさんの気持ちも分かる(笑)

栗ご飯にありつけず気の毒な茂造さんだがラスクとリーフクッキーをとても喜んだそうだ。
「こんな美味い物生まれて初めて食べたわ!!」と言ったそうな。
そんなに喜んだなら結果オーライかな。

わたしにこの話をしているかつおさんもどこか得意そうで満足げだった。
一人での面会は大変だろうし、間がもつのかなと心配したが、思いのほか上手くいったようで良かった良かった。

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1月25日 土曜日

今日はいよいよ綿子さんが外出して家に戻ってくる。
ついでに茂造さんも連れて帰ろうかとチラッと考えたが、今、茂造さんは『家に帰りたい病』が酷いので下手に連れて帰って悪化したら困ると思いやめた。
それに綿子さんも茂造さんがいない方が喜ぶだろう。

10時前、かつおさんがいぶきの森へ迎えに行き、そのままかっちゃんちへ米さんの仏壇のお参りに連れて行った。
わたしはいつもより早めに実家へ行き、両親を買い物に連れて行き、10時半ごろ戻って来た。
かつおさん達が戻る前にお昼ご飯の用意をしておかないと。

結局、今日のメニューのメインはウナギにした。
綿子さんの大好物だし、やはりごちそう感が出る。
他にごちそう感があるものとして思いつくのはお刺身やお寿司だが、生ものは施設の方からNGが出ているので出せない。
なのでやはりウナギにしようということになったのだ。
他にもかつおさんが得意料理のエビとアボカドのマヨネーズ和えとザク切りキャベツの豚肉巻きを作っていた。
わたしは粕汁を作った。
それと綿子さんの大好きな柿を使ってカブと干し柿の甘酢和えも作った。
あと一応白米も用意した。
うな丼とかうな重にして食べたいなら白米がいるから。

これらをどんどん綿子さんちに運び、小皿に取り分け食卓に並べた。
そうこうしているうちにかつおさんが綿子さんを連れて戻って来た。

「綿子さん、おかえり」

綿「あ~好子さん、ありがとなぁ~」

「食事の用意はまだできてないからリビングでゆっくりしとって」

ちょうどそこへハルちゃんがゆうくんを連れてやって来た。
ナイスタイミング!
綿子さんの相手はハルちゃんとゆうくんに任せ、わたしとかつおさんは台所へ。
せっせと準備をしているとリビングの方が賑やかになった。
麦さんが到着したようだ。
麦さんは出来立てほやほやの栗おこわを持って来てくれた。
この栗おこわ本当に美味しいのよ。
大きくて立派な栗がこれでもかってくらい入っている。

「いつもありがとうございます」

「いやいや、これしか出来んのや~。アホの一つ覚えでな~」

よく言うわ。
麦さんの料理はとても美味しい。
それに麦さんはかなり潔癖症なので安心して食べることができる。
昔は綿子さんの手料理もとても美味しくてお裾分けをもらったら喜んで食べていたのだけれど、だんだん恐ろしくて食べられなくなってしまった。
まな板はカビて黒ずんでいるし、雑巾のような台ふきんを使っているし、お皿や調理器具を洗う時に洗剤を使わないのを見ると気持ち悪くて食べられなくなってしまった。
麦さんもわたし達に「綿ちゃんには言えんけど、ここで出されたもんは食べとうないんや」と言っていた。
ハルちゃんと翔ちゃんも「ばあちゃんの作った唐揚げとポテトサラダは絶品やったよなぁ。もう二度と食べられんのか~」と嘆いている。
ほんとあの頃のポテトサラダがもう一度食べたいなぁ。

続く
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