かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:歩行器

昨日の続き

おやつを食べ終わるとまたグチが始まった。

綿「私の手押し車がまだ出てこんのや。ここの人が探しとくわって言うたんやけどあれからあったとも無かったとも言うて来んのや。ほんまに探してくれよるんやろか?私もウロウロ歩いて見て回ったりしたんやけど無いんやが。もう出てこんかもしれんわ。そしたらかつおにまた買うてきてもらわないかんと思うとんや。ナンボするんか知らんけど、結構高いかも知れんけど無いと困るが」

シルバーカーの件は落ち着いたのかと思ったがまだこだわっていたようだ。

「いやいや、そんなに心配せんでも名前も書いとるからそのうち出てくるわ。それに今は歩行器を貸してくれとるんやから手押し車が無くてもええやん。手押し車より歩行器の方が楽やろ」

「そうやん。歩行器の方が高さもあって、もたれて歩けるからええやん」

綿「そうや。こっちの方が楽なんや。けどお金が要るやろが」

ハァ?
歩行器を使うと料金が発生すると思っているのか?

綿「これはここのやから、これを使うとったらお金とられるやろ?」

「いやいや、これはお金要らんのやで。そやから貸してくれとる間はこれを使ったらええんやで」

綿「そうなん?」

「そうそう!」

まさかお金の心配をしていたとは!
びっくりした。
けど説明したからこれからは文句を言わずに歩行器を使ってくれるかな?
そうなりますように。
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昨日の続き

その後4階の綿子さんのもとへ。
綿子さんはデイルームにいた。
わたし達が来たことに気づくとすくっと立ち上がり傍へ寄って来た。
歩行器を使っている。
なんとか気持ちは落ち着いたのかな?
良かった~。

みんなで部屋へ移動中、綿子さんの目線の先はずっとゆうくんだ。

綿「よう来てくれたのぉ~」

目じりが下がっている。
そして部屋に着くとサッサとベッドに腰かけ「はい」と両手を前に出した。
ここにゆうくんを乗せろという事らしい。
これ茂造さんとそっくりだ(笑)
ゆうくんを抱かせると満面の笑みだ。

綿「うわ~また重んなったな~」

しばらくゆうくんと触れあい、いつもの会話「私の年金で~」「ありがとなぁ~」を交わしたあとはおやつタイムだ。
綿子さんにも栗のカップケーキを渡した。

綿「うわ~美味しそうや!」

一口食べると驚いたような顔をする。

綿「ほんま、美味しいわ~」

こんな美味しいもの生まれて初めて食べたというような顔をする。
オーバーな。
そして夢中で食べていた。
カップをなめるようにとてもきれいに食べた。
ホント茂造さんとそっくりじゃん(笑)
ていうか茂造さん以上に名残惜しそうにいつまでもカップの隅をほじっていた。
二人ともかなり気に入ったようだ。
また買って来なくては。
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昨日の続き

エレベーターで4階に上るといつもの席に綿子さんが座っているのが見えた。
相変わらず前ではなく横向きに座ってこちらが見えるように座っている。
なのですぐわたし達に気付いた。
すくっと立ってこちらに歩き始めた。
はやっ!!
するとスタッフさんがすかさずわたし達に声をかけてきた。

ス「綿子さん、この間歩行器からお自身のシルバーカーに替えたんですけど、やっぱりふらつきもあって危ないという事でまた歩行器に戻したんです。けれど本人さんが納得しなくって。「シルバーカーでええ」って言ってきかなくって。それで今日入浴している間に歩行器と入れ替えたんです。シルバーカーはそばに置いておくとそちらを使おうとするのでこちらで預からせていただきました」

「あら~そうなんですね。分かりました」

ス「それで今もの凄く機嫌が悪いんです。すみません」

「そうですか。こちらこそ申し訳ありません」

こうしてスタッフさんと話をしている間、綿子さんは近寄ってこなかった。
部屋へ行く廊下の途中で立ち止まってこちらをにらむような目で見ていた。
なるほどこのせいなのね。
かなり機嫌が悪そうだ。
みんなで部屋へ移動中、ゆうくんを見てやっと顔がほころんだ。
「来てくれたんか~」
しかし部屋に入ると途端にブツブツ文句を言い始めた

綿「もう嫌になるわ!!ほんまに!!私のいつも押しとるあの手押し車が無しんなったんや!」

「へぇ~。ま、でも名前書いてあるからそのうち出てくるやろ」

まともに相手はしない。
のらりくらりスルーだ。

綿「だけど✕✕✕✕✕✕・・・・」

ひたすらスタッフさん達の文句を言う。

綿「もうほんまにここが嫌になったわ。もう家に帰ろうかしら」

何をアホなことを!

綿「家に帰ったら毎日ゆうくんにも会えるし」

ハァ?
ありえんけど家に戻ったらゆうくんと会う頻度は減ると思うで。
ここにおるから来るんやん。
ここならこちらのペースで来れるからなんとか来れとんやん。
決して喜んで来ている訳じゃないんだから。
家で一人で生活できるんならしょっちゅう会いになんか行きませんて。
一人で家に居たらゆうくんのことで頭が一杯で、押しかけて来るようになるだろう。
そしたら嫌われて避けられるようになるのが目に見えている。
ゆうくんがいない頃でも何かとつまらない用を作って我が家に来てたもの。
間違いないだろう。
こう想像するだけでゾッとする。
想像するのも嫌だ。

「家に帰っても一人で生活出来んやろ。こんな歩きかねとるのにどうやって生活するん!」

つい強い口調で言ってしまう。

「そうやで。あんな段差だらけの家で生活出来んやろ」

ハルちゃんも追い打ちをかける。

綿「けど、ほんまに…」

まだ反論しようとしていた時だった。
ベッドに下ろしていたゆうくんがくるっと寝返りを披露した。

綿「うわ!今、寝返りしたで!」

「そうなんや。一昨日くらいから寝返りするようになったんや」

綿「うわ~凄いなぁ~」
ナイスだ

ゆうくんはうつぶせになり顔をあげて足をバタつかせている。
最近は「ぶーぶー」とよくしゃべる。
今日もぶーぶー言いながらよだれをボタボタ垂らしている。
綿子さんのベッドによだれのシミができている。

「あらあらベッドが濡れよるわ。ごめんな」

ハンカチで拭くが間に合わない。

綿「いやいや構わんで。ゆうくんのよだれがついたベッドで寝られるんなら嬉しいわ~」

綿子さんはすっかりご機嫌になっていた。
その後、シャインマスカットを食べさせ、かなり長い時間滞在したので大分落ち着いたと思う。
帰り際、エレベーターの前までついて来たのでその後のことは分からないが、来た時よりはマシになったんじゃないかと思う。
そうであって欲しい。

それにしても綿子さんも歳を取ってずい分頑固で人の言う事に耳を貸さなくなったなと思う。
今回のことも一度シルバーカーにしたもののやっぱり危ないからまたしばらくは歩行器を使いましょうと言うスタッフさんの言葉を素直に聞き入れれば何の問題も無かったことじゃないか。
それなのに「いや大丈夫や!こっちがええ!」と頑固な態度をとるから騙し討ちのようなことをせざるを得なかったんじゃないか。
それも綿子さんがまた転ばないようにと思ってしたことなのに。
ホント困ったもんだ。

それにしてもゆうくんはお手柄だ!
文句たらたら険悪な雰囲気の中、絶妙なタイミングで寝がえりを披露してくれて。
あれで一気に和やかなムードに変わった。
綿子さんの喜びようといったら。
またも「私の年金からこの子に何か買うてやってえくれの」を繰り返していた(笑)

そうそう和やかなムードの時、綿子さんがふと「かつおは?」と言った。

「かつおさんは熱が出て調子悪いんや。もう熱は下がったんやけど今週は来れんのや」

綿「そうな」

「ま、ゆうくんさえ来たらええやろ?」

綿「そうや」

どこまでもひ孫LOVEな綿子さんだった(笑)

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9月5日 木曜日

今日も洗濯物の回収へいぶきの森へ。
まずは2階の茂造さんのところへ。
茂造さんは席替えをしたようでいつもの席とは別の席に座っていた。
席が替わったと言っても前の席から近い。
なので部屋からもすぐ近くだ。
けれど以前は出入り口のガラス扉の方を向いて座っていたのだが、今日は反対に背を向けて座っている。
ま、どっちにしてもわたしのことは分からないのでいいのだが。

そして4階へ。
綿子さんはいつもの席に座っていた。
デイルームの一番奥の席で通路に背を向けた位置だ。
けれど今日はまだ食事が届いていないようで暇なのか振り返ってこちらを向いているのが見えた。
わたしは気が付かないふりをしてサッと通り抜けた。
今声をかけると部屋まで一緒に行くとか言い出したら面倒だからだ。
帰りに声をかけたらいいやと思っていたのだ。
部屋に入り洗濯物を探す。
普段はタンスの上にナイロン袋に入った状態で置かれているのだが今日はない。
なんで?
昨日風呂に入らなかったのか?
とりあえず持って来た服をしまおうとタンスを開けたら中にナイロン袋が入っていた。
どう見ても洗濯物が入っている。
なんでこんなところに入れるんだ!
わざわざ動かさなくていいじゃん!
相変わらず余計なことをする。
ま、見つかって良かったと思い取り出していたら

綿「やっぱり好子さんや」

えっ?
振り返ると綿子さんが立っていた。
一人で追いかけてきたようだ。
綿子さんはシルバーカーを押していた。
えっ?
ああそれでさっきこの部屋に入った時、何か違和感があったんだ。
いつもベッドの横にあるシルバーカーが無かったからか。

「綿子さん、歩行器使わんでええ様になったん?」

綿「こないだからこれに替わったんや」

そんな話をしていたらスタッフさんが追いかけてきた。
そして説明してくれた。

ス「綿子さん、もうずい分良くなられてシルバーカーで十分歩けるようなんです。トイレも自分で行けてますし。なので歩行器は止めてこれに替えました。多分大丈夫だとは思いますがちょっと打ったりしただけで骨折する可能性はあるんです。もう高齢ですから。そういうリスクはあるんですがこれで様子を見ようという事になりまして。そこだけはご理解いただきたいんです」

「それはもちろんです」

スタッフさん達が綿子さんに良い方法を考えてやってくれている事なのでお任せしますよ。
また骨折したからって責めたりしませんから。
綿子さんにじっとしておけって方が無理なことくらい重々承知してますから。
今後もよろしくお願いします。

それにしても驚異的な回復力だ。
歩行器で歩くようになってまだ半月じゃないか。
ホント凄すぎる!

そして今日からはまたもエレベーター前まで付いてくることとなったのだった。
トホホ…。
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昨日の続き

結局ピンクの靴の謎は分からないままだ。
スタッフさんもおかしいとは思ったようだが事情は知らなかった。
スタッフさんはついでに最近の綿子さんの様子を教えてくれた。

綿子さんは歩行器を使えば割と歩けるようになったのだが、一人で移動していてもしものことがあると怖いので動くときはスタッフを呼ぶように伝えてあるのだそうだ。
それは忘れずに守ってくれるのだが「なんで私だけいちいち人を呼ばないかんのや!」とか「一人でも大丈夫やのに!」って文句を言うようになったそうだ。
スタッフとしても呼ばれたらなるべく速く駆けつけるようにはしているが、いつもすぐ対応できるとは限らない。
綿子さんを待たせることもどうしてもある。
それが気にいらないようだ。
やりたいことがすぐ出来ず文句を言うらしい。
そして一人で勝手に動いている事もあるそうだ。
その時はそっと離れたところから見守っているそうだ。
「勝手に動いたら危ないでしょ」とでも言おうものなら怒り出すからだ。
それにあまり手を出すと「ええ!」と振り払うそうだ。
なのである程度好きにさせてます。
また転ぶリスクもあるのですがそこはご承知くださいとの事だった。
それはもう、転んでも自業自得ですから。
それより申し訳ありません。
ご迷惑をかけるんじゃない!!!

ホント最近我が強くなったなぁと思う。
これも痴呆のせいなのか。
悲しい事だ。


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