かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:気になる

昨日の続き

あと今日は綿子さんのことを聞いてきた。

「綿子は元気か?」

「まあ元気や」

バリバリ元気ではないが。

この間から何度か会ったから綿子さんのことが気になるのだろうか?
会った時は「こんなん知らん!綿子と違う!」と何度も否定してたけど、茂造さんの中で多少変化が起きたのかな?

「綿子はどこから来たんやったかのぉ?」

まだそんな事言うてんのかい。
なんでそんなに出身地が気になるのだろう?

「ニゲタや」

「ニゲタ?嘘言うな!逃げとらへんわ!」

はあ?
前に自分が「逃げてないのにニゲタ!」ってつまらんダジャレ言うとったくせに。
なんやねん。

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「じゃあそろそろ戻ろうか」

かつおさんは綿子さんの下の事が気になってしょうがない。
ま、先日地獄をみてるものね。

で、いぶきの森へ送って行くとまたも綿子さんは「わたしも今晩家に帰って泊るわ」と言い出した。
うわ!出た!

「それはムリや」

綿「そんなことないわ」

「車いすでどうやって移動するんや。トイレにも行けんやろが」

綿「そんなん言わんと連れて帰ってくれ!」

「ムリや」

綿「頼むわ」

ひたすら押し問答が続く。

「歩けるようになったら帰れるわ。今は無理やがな」

助け舟を出したつもりだったのだが

綿「頼むわ~」

ダメだこりゃ。
とにかく帰りたい一心で帰ったらどうなるかを想像できないのね。
この後も「連れて帰ってくれ」と10回以上は言った。
けどどうにもできない。
無理と言い続けているとこっちも辛くなる。
「また明日来るからな」と半ば逃げるように引き上げたのだった。
むっちゃ後味の悪いこと。

綿子さんと別れた後、かつおさんは「ほんまにムチャ言うわ!」と怒り心頭。

「勘弁してくれよ!じいさんはあっさりしとったのに。あれやから行きとう無くなるんや!せっかく一泊させてやろうとしとったのに自分が転ぶからイカンのやろが!」

グチが止まらない。
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3月14日 土曜日

今日はゆうくんを連れて3人で茂&綿の面会へ。
受付で面会カードを書き、エレベーターの方へ移動していると看護師の大井さんに会った。
ちょうどいい。
聞きたいことがあったんだ。

「あの~綿子さんのことなんですけど、もう褥瘡は治ったんですか?」

実は先日、綿子さんの荷物を整理した。
荷物というのは12月に大腿骨を骨折して快世病院に入院していた時にいぶきの森から持ち帰った物と、快世病院を退院した時に持ち帰った荷物だ。
いぶきの森に戻った時、その中から今必要なものを選んで届けた後、残りを放置していたんだけど、いい加減片付けようと整理したのだ。
すると円座が出てきたのだった。
あら、コレ届けるのを忘れてたのね。
けど、いぶきの森に戻ってもう2か月以上経つのに、持って来てとは言われなかったよね。
という事は治ったのかしら?
横になっている時間が多かったから良くなったのかな?
それで今度大井さんに会ったら聞いてみようと思っていたのだ。

大井さんは「そうですね。痛いという事は無いようです。スタッフからもそんな報告は無いですね。今度、お風呂の時にでも見ておきますね」と言った。
本人が何も言わないので褥瘡の事は忘れていたのかな?と感じた。

「先日、片づけをしていたら円座が出て来まして、それでちょっと気になったんです。もし円座が必要なら持ってきますので、また言ってください」

大「わかりました」

治ってるといいんだけどな。
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また廊下に戻り景色を眺めながら雑談をしていると、入浴を終えた4階の入居者さん達が続々と戻ってきた。
そして一人のおばあさんが近寄ってきた。
ゆうくんが気になって仕方ないようだ。
何も喋らないがゆうくんの前で手を振ったり、手を叩いて音を出したりして気を引く。
ニコニコしてとても嬉しそうだ。
ふと靴に名前が書いてあるのを見つけた。
よく見ると知っている名前だった。
以前綿子さんと同室だった方で、かなり痴呆が進んでいた人だ。
綿子さんのタンスを勝手に触るので困ったっけ。
今、この人は二人部屋を一人で使っている。
苦肉の策なのだろう。

あぁ、あの人か~。
だいぶきてたよな~。
けれどゆうくんを構っている今はしっかりして見えた。
やはり小さい子どもは特効薬なのね。
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ところで先日気付いたのだが、緒方さんの名前がない。
緒方さんと言えば綿子さんと仲が良くてこっそり飴やおやつをくれていた人だ。
以前、飴玉の入ったポーチを落してしまい、スタッフに見つかって怒られてたっけ。
あの緒方さんの名前が無くなっていた。
部屋の入り口のネームプレートにないのだ。
部屋を移動したのかと思って各部屋のプレートを見たがない。
この施設では1カ月ごとに靴を交換して洗う事になっているんだけど、交換したら日にちを記入する表がある。
そこに入居者の名前がずらーっと並んでいるのだが、そこにも緒方さんの名前は無かった。
やっぱり居ないよね。
車いすの方だったから家に戻ったとは思えないし、他の施設に移ったのだろうか?
それともひょっとして亡くなったのか?
けど元気そうだったのに。

ずっと気になっていたので綿子さんに聞いてみた。
ロビーや他の人がいる所ではちょっと聞きづらい。
この部屋ならデイルームからも一番遠いし他の人に聞かれることもないだろう。

「綿子さん、緒方さんどうしたん?居らんようになったやん」

綿「緒方?」

「綿子さんと仲の良かった人やん。車いすに乗っとってさ、時々飴くれよったやろ」

綿「私、他の人と話するの好きでないから仲のええ人はおらんのや」

はぁ?
話するのが好きでないだって!!
嘘つけ!!

結局綿子さんに尋ねても緒方さんのことは何も分からなかった。
あの『マサコ』さんのことも聞いてみたかったがやめた。

それにしても綿子さんは答えたくなくてとぼけているというよりは、本気で緒方さんと言う人など知らないといった感じだった。
すっかり忘れてしまっているようだ。
ここに入所してからの付き合いだから1年程度と短いからなのか?
茂造さんと一緒で古い事は覚えているけど直近の記憶は忘れていくのだろうか?
ちょっと怖い。
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