かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:気遣い

昨日の続き

仕事が終わると快世病院に向かった。
用意したテレビの週間番組表とお茶のペットボトル6本を持って。

病棟の入り口でインターホンを押し、看護師さんが来るのを待った。
忙しいのかなかなか来ない。
そりゃ5時半ごろって忙しいよね。
申し訳ない。
しばらく待っているとようやくやって来た。

「綿子の家の者です」

看「はい」

あれ?お茶のこと聞いてないのかな?
どうも伝わってないようだ。

「そろそろお茶が無くなってないかと思って。一応今日は6本持ってきたんです。で、27日に退院することが決まったんですけど、それまで足りないようなら日曜日に追加を持ってこようと思ってるんです」

看「そしたら今、何本残ってるか見てきますね。少々お待ちください」

また鍵をかけて去って行った。

やっぱり昼間の話は伝わってなかったのね。
スタッフも大勢いるから仕方ないよね。
生死にかかわることでもないし。

確認に行った看護師さんはなかなか戻ってこなかった。
遅いなぁ。
他に何か用が出来たのかな?
さっきからずっと「誰か来て下さい!トイレに連れて行ってください!」と叫んでいる声が聞こえていた。
やっぱり精神科病棟だものね。
ちょっといぶきの森の2階と被る。
そんなことを考えながら待っていたらようやく看護師さんが戻ってきた。
看護師さんは車いすに乗った綿子さんを連れていた。
あ、それで時間がかかったのね。
ドアを開けたままドアのこっちと向こうで面会させてくれた。
気遣いが嬉しかった。
忙しいのにありがとうございます。

久しぶりに見た綿子さんはあまり覇気がなかった。
わたしを見ても誰か分かってない様子だ。
ぼーーっとしている。
以前の綿子さんなら「来てくれたんな。ありがとうなぁ」と言うだろう。
マジか⁉
ヤバくない?

「好子やで、分かる?」

綿「はぁ」

分かってるのか分かってないのかよく分からない、あいまいな返事だ。
いやいやいや。
マジでヤバいやん!
痴呆が進んでるじゃん!
やはりここでは刺激が少なすぎるのか?

続く
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11月1日 金曜日

今日は米さんのお葬式だ。
かつおさんが10時過ぎにいぶきの森まで綿子さんを迎えに行った。
やはり綿子さんはショックが大きかったようで、スタッフさんから「昨日からちょっとふらつくことがあるので注意してください」と言われたそうだ。
そりゃ一番身近な姉さんが亡くなったんだから仕方ないよね。
気を抜かずにしっかり見守らないと。

しかしうっかり者のかつおさんは杖を忘れてきてしまった。
おいおい。
幸い家に茂造さんの杖があったのでそれを持たせることにした。
けどなんだかさい先悪いなぁ。
大丈夫かしら?

とにかく綿子さんを礼服っぽいものに着替えさせ、わたしたちも着替えなどして準備を整えた。
葬儀は12時からだ。
それから仕上げが終わるまでは食事は取れないだろう。
今のうちに何か食べておかないと。
そう思って朝の内におにぎりやパンを買ってきていた。
綿子さんにはくるみパンだ。
それを食べ終わったら斎場へ向かった。

斎場に着き、中に入ると光三さんに会った。
光三さんに会うのは久しぶりだ。
もう1年くらい会ってなかったと思う。
久々に会った光三さんはもの凄く衰えていた。
今も待合室で横になっている。
服も普段着だし、寒いのかダウンを着こんでいる。

光三さんは綿子さんに気づくと「ありがとのぉ。よぉ来てくれたのぉ」と言った。
綿子さんが「義兄さんには世話になって…」と泣き出した。
すっかりしんみりムードだ。
かつおさんが「おっさん、久しぶりやな。元気でやっとんな?」と声をかけたが「誰か分からんがぁ。すまんのぉ」と言う。
体だけでなく頭の方も衰えているようだ。
しかし分からなくて申し訳ないという気遣いが出来る所が凄い。

その後、麦さんやすずさんや米さんのお孫さん達もやって来た。
典さんも遠方から駆けつけた。
やはり典さんにとっても米さんは特別なのだろう。

そしてお式が始まった。
光三さんは車イスで参加した。
お坊さんが御経を読んでいる間ずっと「あ゛~~」とか「う~~」と声が出ていた。
高齢サービス付き住宅に入所する前は自分の足で歩いていたし、もっとしっかりしていたのに。
やはり施設に入所すると転がるように老化が進むと言うがやはりそうなんだと実感した。
まれに茂造さんや綿子さんのような例外もあるが。
読経が終わり棺に花を入れるときには光三さんがずっと米さんの顔のそばで「ばあさんよ~ばあさんよ~」と話しかけていてとても悲しかった。

米さんは数えで95歳。
死因は老衰だそうだ。
傍から見ると大往生でそこまで悲しいお葬式にはならないと思うが光三さんの姿に思わず涙が出た。
この夫婦も仲良く支えあってきたんだなぁと感じた。
米さんは幸せだっただろう。

米さんお世話になりありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。
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昨日の続き

茂造さんをベッドに座らせおやつを渡そうとしていたら茂造さんがスッと横に寄った。

「お前も座りな」

気遣ってくれたのだ。
ちょっと感動した。

「じいさん、ほら、これ食べな」

おやつを差し出すと

「おぉ~美味そうやのぉ~」

パクリとかみつき「美味いのぉ~!」と言った。
「これは美味い!」ご機嫌だ。

「もう一ついるか?」

「おぉ、くれ!これはええ!」

とても美味しそうに食べているがよだれがボタボタ落ちている。
急いでタンスからタオルを取り出し渡した。

「おぉ~これはええタオルや!ありがとのぉ」

何でも最高に褒めるじゃん!
こういうところがスタッフさん達にも人気の秘訣なのだろう。
幸せ茂造の一生

おやつを食べ終わり落ち着いたので話題はゆうくんの写真へ。
今日もポケットにミニアルバムが入っていた。
茂造さんはそれを取り出し可愛いのぉと眺めていた。

「じいさんに似とるやろが(笑)」

「おう!わしに似とる!」

相変わらずだ。

そして

「今日はわしが生まれたとこには帰れんのやろ?」

「そうや」

「また今度な。茂造さん、おやつ食べたらのどが渇いたやろ?もうお茶の時間やから席に戻ろうか」

「そやの」

こうしてまたさっきの席まで戻ったのだった。
ちゃんと座布団を持って。
なんてスムーズ。
本当に茂造さんの相手は世話ない。

「そしたらまた来るからな」

「へぇ。ありがとう」

またちょこちょこおやつを持って面会に行こうと思う。
家に帰るのはもうちょっと待ってね茂造さん。


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