かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:演歌

会話はあまり続かない。
とにかく耳が悪くなったようで、わたしとかつおさんが喋っていても聞こえていないようだ。
しっかり目を見て話しかけてようやく通じる感じだ。
店内に演歌が流れていたんだけど「この曲知っとる?なんて曲?」と尋ねてもポカンとしている。
「演歌が流れとるけど聞こえとる?」と聞くと「聞こえん」
やっぱり相当悪くなってるようだ。
これじゃ痴呆もどんどん進むかも。
けどどうしようもない。

綿子さんに聞くと、施設ではコーヒーが出ることは無いしパンも出ないそうだ。
家に居るときは毎朝パンとコーヒー(+果物)だった人なので今日はとっても嬉しかったようだ。
コーヒーを飲みながら感激して何度か泣いた。

サンドイッチの残りが少なくなると綿子さんの手が止まった。

「綿子さん、もうお腹いっぱいで食べられんの?もう欲しくないん?」

綿「いや、食べよう思ったら食べられるけど、皆食べんの?」

「ええで、遠慮せんと食べてよ。わたしらはいつでも食べられるから」

綿「かまんの」

と言って残り全部食べたのだった。
やっぱり遠慮してたのね。
やっぱ茂造さんとは違うよね。
まだまだ周りに気が遣える。
そう言うところを見るとちょっとホッとする。

そうそうかつおさんはコーヒーを飲んだあとレモンスカッシュも注文した。

「こういういかにも『ザ・昭和』って喫茶店に来たらレスカが飲みたくなるやん!」

だそうだ。
このレスカも手作り。
搾りたてのレモンに炭酸、好みでシロップを入れる。

「美味い!」

それは良かった。
しっかり自分も堪能してますやん。

帰りにレジでお店の人に「ありがとうございました。美味しかったです」と伝えていると、綿子さんも「ありがとう」と言っていた。
お店の方も「いいえ、こちらこそ。またどうぞ。お大事になさってね」と言ってくれた。
本当に気持ちよく過ごせる店だ。
こんないい店が近くにあって良かった。
また綿子さんと行こうと思う。

ところでコーヒー3杯、ミッスクサンド、レスカの合計金額はちょうど2000円。
やっぱ安い!
ほんといいお店です。
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昨日の続き

いぶきの森から戻り、ゆうくんはお昼寝だ。
しっかり寝入ったので子守りはかつおさんに頼んで本屋へ足を運んだ。
頼まれたことはさっさとやろう。

近所の本屋で歌の本を探した。
探すと言ってもいったいどこにあるのやら。
とりあえず実用書のコーナーを端から順に見て行った。
なかなか見つからない。
一通り見たが無い。
困ったなぁ。
もう一度店内をウロウロ回った。
すると楽譜を置いてあるコーナーを見つけた。
そこに歌の本も置いてあった。
あった!!
よく似た内容の本が5冊ほどあったが中をパラパラ見てこれがいいんじゃないかなというものを選んだ。
成美堂出版の「思い出の歌 日本のうた」という本だ。
(書籍) 思い出の歌・日本のうた【お取り寄せ・キャンセル不可】
(書籍) 思い出の歌・日本のうた【お取り寄せ・キャンセル不可】

古い演歌や歌謡曲が多数載っているし、綿子さんが知ってそうな曲がたくさん載っていた。
これなら気に入るんじゃないかな?

そしてもう一冊くらい届けたい。
何かいいのはないかと店内を回り見つけたのがコレ。

「サザエさん」の歳時記 (AERAムック) [ 長谷川町子 ]
「サザエさん」の歳時記 (AERAムック) [ 長谷川町子 ]

サザエさんの漫画で昭和の風景が描かれていて、これなら読んで懐かしく感じたりして面白いんじゃないかな?

結構いいのが見つかった気がする。
来週届けるのが楽しみだ。
喜んでくれるといいな。
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2階でエレベーターを降りるとここでも演歌が流れていた。
そしてこちらも4階と同様にデイルームに人が大勢いた。
同じタイミングで同じDVDが流れているようだ。

茂造さんは演歌にあまり興味が無いようでテレビ画面に背を向けて座っていた。

「茂造さん、こんにちは」

「おっ!ゆうきか!」

良かった。今日は調子良さそうだ。

「わし、写真持っとるんや。見るか?」

ズボンのポケットからゆうくんのアルバムを取り出した。

「あら、ほんま。いつもこれ見よん?」

「おう。こうやって見よるんや」

やっぱり今日は調子いいいじゃないか。
ホッとした。

「すいません、一つお願いがあるんです」

振り返ると看護スタッフの大井さんが立っていた。

「なんでしょう?」

大井「茂造さんが使っているそのカゴなんですけど、長く使っているのでもうボロボロになっっちゃってて。新しいものを用意してほしいんです」

茂造さんは自力でおしっこが出なくなって以来、ずっと導尿の管を入れていてその尿が溜まるバッグをカゴに入れている。
そして移動するときはいつもそのカゴを手に持って移動しているのだ。

大井「今のカゴは施設のをお貸ししていたんですけど、ずっと使うものですし、次はご家族様の方で用意していただきたいんです。100円均一のもので大丈夫ですのでお願いできますか?」

「わかりました。次までに買ってきます」

大井「よろしくお願いします」

明日にでも適当なものを買って来なくては。

大井「茂造さん、ひ孫ちゃん来てくれて良かったなぁ」

「へえ。けど今日は抱かん!」

はいはい、けど結局は抱くくせに。
いつもとりあえず拒否るのはなんでだろう?
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10月12日 土曜日

今日は翔ちゃんがやって来た。
久しぶりに茂&綿に顔を見せに行くためだ。
という事で3時くらいから翔ちゃんとかつおさんとゆうくんと4人で面会に行った。
綿子さんは昨日入浴したそうなので時間を気にせず訪問できた。

まずは4階の綿子さんのもとへ。
エレベーターを降りると結構なボリュームで演歌が流れていた。
デイルームには人がいっぱいだ。
テレビの画面に演歌歌手が映っていた。
みなさんやっぱり演歌が好きなのね。
綿子さんも大好きだ。
歌うのも好きで昔は歌を習いに行ったりもしていた。
なので結構上手い。

せっかく楽しんでいるところだったのに悪いなぁ。
けど綿子さんはゆうくんに気づくとすぐ立ち上がり嬉しそうに寄って来た。

綿「来てくれたんか~」

そして翔ちゃんに気づくと「翔ちゃんも来てくれたんか~」と大喜びだ。
と、そこで気付いたのだが綿子さんが手にしていたのはシルバーカーだった。
とうとう歩行器は卒業したようだ。

それからみんなで部屋へ移動した。
今日は部屋は空だったので気兼ねせずにゆっくり話せた。
いつものようにゆうくんをベッドに乗せると、すぐさま寝返りをする。
綿子さんは「素早くなったなぁ」と目を細めていた。
そして翔ちゃんに向かって

綿「まさか翔ちゃんに会えると思わなんだわ。ありがとのぉ」

と言った。
そしてかつおさんに

綿「この子に私に年金から少しでも小遣いを」

と言いかけたところで

「おれ、この間誕生日やったんや」

綿「ああそうか。10月やの。そしたら私の年金から1万やっといてくれ、かつお」

「ありがとう!」

翔ちゃんさてはこれが目的やったな!

「ハルちゃんも先月誕生日やったんや。それにおかんももうすぐ誕生日や」

綿「そしたらハルちゃんと好子さんにも1万ずつ渡してくれ」

「ありがとう」

あら、翔ちゃんのおかげで思わぬ臨時収入だ。
サンキュー!翔ちゃん。

「わしは6月が誕生日やったんや」

綿「・・・・」

華麗にスルーされたのだった(笑)

綿「翔ちゃん、なんぼになったん?」

「31や」

綿「もう早よ結婚せな!付き合いよる人はおるんか?」

「今はおらん。まあちょっと待ってくれ!2~3年の内には結婚するから~」

1万円の代償は痛かったようだ(笑)
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