かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:申し訳ない

次に2階の茂造さんのもとへ。
茂造さんは食事も終わってベッドで横になっていた。
直前にトイレに行っていたそうだ。
スタッフさんがそう教えてくれた。

茂造さんに「こんにちは!」と声をかけると

「ええ!もいっぺんトイレ行くんか?」

「違う、違う」

相変わらずわたしのことはスタッフだと思っているようだ。

「桃、持って来たで」

「おっ!ええのぉ~」

すくっと起き上がった。
さすが食べ物に目がない茂造さんだ。
かつおさんが桃の入ったタッパーを渡した。

「はい、じいさん」

「いかんが~。歯がないが~」

「歯やのうても食べれるわ」

茂造さんは総入れ歯なのだが、食事中以外は外してあって、詰め所で保管されているのだ。
もう寝る準備が整っているこの時間に歯がない事は想定内。
だからこそ歯がなくても食べられる柔らかい桃を持って来たのだ。
しかし

「いや歯がある方がええわ。歯くれや。頼むわ~」

仕方ない、詰め所に入れ歯を受け取りに行った。
この時間、スタッフは食事を終えた人をトイレに連れて行き、部屋に運ぶのに大忙し。
日曜なのでいつもより人手も少ないので本当に申し訳ない。
ホントすみません。

茂造さんは入れ歯を入れとても美味しそうに桃を食べた。
そして綿子さん同様、汁もキレイに飲み干した。
茂造さんが食べ終わるとすかさず

「そしたらまたな」

そそくさと帰ったのだった。
かつおさんは今日は田植えで疲れているし、もう7時前。
こちらはまだ晩御飯を食べていない。
お腹が空いてたまらない。
ごめんね、今度来るときはゆっくり来るから今日は許してね。

で、今日は洗濯物の袋が1つあった。
尿汚染。
ま、まだマシだ。
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ようやく2階へ。
茂造さんはデイルームでぼーっと座っていた。

「茂造さん、こんにちは!」

「おう、ゆうちゃん来たんか」

えっ?
どうした?
いつもゆうくんのこと「ゆうき」って呼んで、「ゆうちゃん」なんて呼んだこと無かったのに。
今日は何かちょっとおかしい。

「腹がへったが~」

「そしたら部屋に行こう」

部屋でおやつのカステラとぽたぽた焼を食べさせた。

「美味いのぉ~」

喜んで食べたのだが、後はまたぼーっと座ったまま無言…。
いつもの質問攻めは無かった。
かつおさんがいないからか?
遠慮してるのか?
とにかく喋らない。
なので早々に引き上げた。
綿子さんのところに居た時間と比較すると10対1くらい。
なんか申し訳ない。
今度はかつおさんも連れてくるからね。
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4階では綿子さんはちょうど歯磨きの際中だった。
ラッキー!
サッサと部屋へ行き、着替えをしまう。
この間せっかく衣替えしたのに薄手のものは全て引き出しに入ったままだった。
念のために残しておいた冬物を着ているようだ。
ガックリ。
体調がイマイチの中、暑いだろうからと衣替えをしに来たのに…。
で、問題のダウンベストは見当たらなかった。
ま、いっか。
洗濯物の袋を拾い、さあ帰ろうとしたところに綿子さんがやって来た。

綿「いつも悪いなぁ」

もうええっちゅうに!

「いいえ。ほな」

とさっさとエレベーターに向かったのだった。

2階では茂造さんがちょうど食事を終えたところだった。
入れ歯を外し、入れ歯に残っている食べ物の欠片をきれいになめているところだった。
見ていて気持ちのいいものではない。
同じテーブルについている人たちに嫌がられているんじゃないかと思う。
けどこれは今更言っても治ないだろう。
周囲の方々申し訳ありません。

そして今日も便汚染なし!!
バンザーイ!!
やっぱり幅広テープのおかげかな?
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そういえば去年のお正月も綿子さんは佐藤病院に入院していて家で過ごせなかったよな。
まだコロナの制限もあっったし、年末にインフルエンザが流行したから、いぶきの森に入所中の茂造さんも外出禁止になって家に戻れなかったっけ。
おかげでゆったりしたお正月を過ごせたよな。

けど誕生日なのに病院で過ごす綿子さんが気の毒で誕生祝いにフラワーアレンジメントを届けたんだった。
お見舞いと言えば花だと何の躊躇もなく花を届けたが、あとで今どきの病院は花の持ち込みを禁止しているところも多いと聞いて驚いた。
あの時は断られなくて良かった。

いぶきの森ではどうだろう?
やはり先に確認しないといけないだろう。
以前、花を持って来ていいか聞いた事がある。
その時は綿子さんに花のお世話をさせるのが目的だった。
少しでも家に居た時のように過ごせたら、それに何かやるべき事があると生活に張りが出るだろうと考えてのことだった。
施設の方でも検討してくれていたが、その最中に骨折して花のお世話どころではなくなってしまい話が立ち消えになっていた。
が、その後、綿子さんがすっかり元気になった頃、鉢植えの花を用意してくれて廊下で育てるよう取り計らってくれた。
綿子さんはとても嬉しそうだった。
ほんとありがたい。
けどこのことからも部屋に花を置くのは難しいのでは?と思った。
一人部屋でもないし、だいいち花を飾る場所がない。
なのでやっぱりやめておこう。

花がダメとなると他に何を贈ればいいんだ?
食べ物は目の前で食べてしまうのを確認しないといけないのでスタッフにことづける事はできない。
かといって5分の面会をしてその間に食べさせるのも無理だ。
こちらは二重マスクにゴム手袋をしていても綿子さんがマスクを外すことになるんだから無理だ。
それにもしも綿子さんが感染していて発症していないだけかもしれないと考えると恐ろしくて嫌だ。

なら衣類でもと思ったが急なこと過ぎて買いに行く暇がなかった。
なので今回、何も届ける事が出来なかった。
申し訳ない。
ごめんね、綿子さん。
今しばらく待ってってね。
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昨日の続き

そそくさとデイルームを抜けガラス扉の外に出た。
エレベーターの前まで来て4階に行かなければいけなかったことを思い出した。
綿子さんとは1階のホールで面会したので持って来た着替えをタンスに仕舞わないといけなかったのだ。
エレベーターの上がるボタンを押して待った。
が、なかなか来ない。
ずい分待ってやっと来たと思ったら車イスに乗った人たちで一杯だった。
どうも入浴が終わって4階に戻っている最中のようだ。
こりゃ当分待たないといけないなぁ。
なのでかつおさんが階段で4階まで登って着替えを片付けてくることにし、わたしはベビーカーにのったゆうくんとここで待つことにした。

はぁ~疲れたなぁ~と思いながらしばし休憩していると茂造さんの声が聞こえてきた。

「家に帰るんや!山田病院に行って腹が痛いのを診てもらうんや!」

声が大きいのでハッキリ聞こえる。
そして鍵のかかったガラス扉を開けようとガタガタいわせている。

ス「今日は土曜日やから山田病院は閉まっとるよ。月曜日まで待ってな」

「そんなことない!わし知っとるんや!前は開いとったわ!あんたが知らんだけや!」

ス「今は開いてないんよ」

「そんなことない!とにかく帰るんや!」

ガラス扉の前でまたも押し問答をしている。

ひえ~~!
わたしはベビーカーごと、茂造さんから見えない位置に移動した。
見つかったらややこしいことになりそうだ。

それにしてもスタッフさん達には本当に申し訳ない。
朝からずっとこの調子だったんだろう。
ああ言えばこう言う。
とにかく『家に帰ること』にとりつかれている茂造さんに何を言っても無駄のようだ。

茂造さんはガラス扉の前でかなり粘っていたが、疲れたのかようやく部屋へ戻って行った。
やっとやー。
見ているだけでも疲れる。
スタッフさん達、本当にご苦労様です。
我々は役に立たなくてすみません。
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