かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:疑問

茂&綿を乗せた車が庭に入ってきた。
わたしは急いで介助に向かった。
綿子さんはシルバーカーも杖も持っていない。
かつおさんに聞くと「あつ!忘れとったわ」
おいおい。
それこそ綿子さんの家では必須アイテムなのに。
仕方なく手を引いて家まで連れて行った。

かつおさんは茂造さんに付き添った。
茂造さんはしきりに周りを見回して「ここはわしの家か?」と言う。
いつも思い浮かべている景色と違っているのだろう。
なんてったって茂造さんは今、自身が若い頃にタイムスリップしているんだもの。
ガラスの温室があった頃に。
そりゃあ景色は全然違っているだろう。

「こんなかったかのぉ?」

ずっと疑っている。

「そうやが、ここがじいさんの家やないか」

「ほうかのぉ?」

とにかく家の中に入り、リビングまで連れて行き、ソファに座らせた。
かつおさんはお弁当を受け取りにでかけた。
わたしは台所へ行き、お茶を汲んだ。
リビングに戻ると茂造さんと綿子さんが向かい合わせに座っているが会話は無い。
綿子さんは茂造さんと目を合わせようとしない。
なんだか重い空気だ。

「一息ついたら仏壇参るんな?」

「おう!そうや、仏壇参らないかん」

お盆ですものね。
茂造さんは立ちあがったが綿子さんは座ったままだ。
仏壇を参る気は無いようだ。

茂造さんを仏壇の前に連れて行くと

「南無大師遍照金剛~、南無大師遍照金剛~、南無大師遍照金剛~」

大きな声で3回繰り返す。
念仏は忘れないのね。
感心する。

「コレには見覚えがあるのぉ。おっ、ちょっと思い出してきたぞ」

仏壇を見て何となく自分の家だと感じてきたようだ。

茂造さんをリビングに連れて戻り、綿子さんに「綿子さんもお参りせんの?」と声をかけた。
すると「ほなしよか」と渋々な感じで立ち上がった。
結局行くんやったら一緒に行けよ!
面倒くさい!
初っ端からこれかよ、今日一日どうなることやら…。
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引き続き6月30日のこと

そういえばこの日も綿子さんちに置き鍵が無かった。
仕方なくチャイムを押したが全く出てくる気配がない。
なので家にスペアキーを取りに戻らなくてはならなかった。

綿子さんちで用事をすませ、帰りがけに

「そういえば今日も置き鍵がなかったで。また服のポケットに入っとるんと違う?」

と声をかけた。
すると

綿「もう私ひとりやから外に鍵を置くのはやめたんや。小さい袋に入れてカバンに入れてあるんや」

それはいい。
けどカバンが変わる時などに忘れたりしないかがちょっと心配だ。

そして置き鍵が無いのにわたしたちが入ってくることに何の疑問もないところがやっぱり.....なのかなと思う。
植木鉢の下とか



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