かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:病は気から

昨日の続き

トイレから戻った茂造さんはまだ「チンポが痛い」と繰り返していた。
そして「薬くれ!」と言い出した。
そんな薬なんか無いわ。
けどずっと言い続けられても鬱陶しいので何か渡そう。
ラムネでもあればいいんだけどあいにく無い。
そうだ、胃薬渡せばいいや。
という事で我が家からキャベジンを取って来て1粒飲ませた。
病は気から。
これでしばらくは大丈夫かな?

少しの間大人しかった。
がまた「まだ痛いが~」と言いだした。
「薬が効き始めるまでしばらくかかるんやろ」と適当に返して受け流していた。
もうどうしようもないし。

その後翔ちゃんがやってきた。
茂造さんは誰か分かってない様子。
「お前は誰や?」
いつものセリフだ。
翔ちゃんもしばらくは答えたが、数秒後には同じ質問をされるので、そのうち返事をするのをやめたそうだ。
すると今度は「腹が減ったが~」と言い出した。
気をそらせるにはちょうどいいかも。
ちょっと早いがお昼にしよう。

台所へ連れて行くと「お~美味そうやのぉ~」と目を輝かせた。
今日の茂造さんはみんなを待てなかった。
以前、帰宅した時は「皆がそろうのを待たな」と言って、みんなを驚かせていたのに、今回は元の我が道を行く茂造さんに戻っていた。
乾杯をする事もなく食事会が始まった。
初めは勢いよく弁当を食べていた茂造さんだったが、隣でビールを飲んでいる翔ちゃんに気づいた。

茂「わしにもくれ」

ほら、言うと思った。
用意していたノンアルビールをコップに注いで渡した。

茂「美味いのぉ!」

なにより。
わたしは心の中でガッツポーズ!

お弁当はなるべく小さいものを選んだがそれでも結構な量があったが、全て食べつくした。
大丈夫?また胃が痛いと言い出すんじゃ?
それにとっとと寝て欲しいが、こんなに食べてすぐ横になるのは危険。
しばらくは座っといてもらわないと。
けど、特にする事もなく座っているだけでは間がもたない。
茂造さんは昔はテレビ大好きマンだったのに今はちっとも見なくなった。
それに会話を楽しむという事もない。
どうやって間を持たせたらいいのか分からない。
こまったなぁ。
早々に「わしちょっと寝るわ」と言い出した時には正直ほっとしたのだった。

続く

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2月21日、火曜日

火曜日は二人ともデイサービスが休みで家に居る。
なのでちょこちょこ見守りカメラを覗く。
午前中は台所で何やら料理をしている綿子さんが映っていた。
午後からは仕事が忙しくてカメラを覗く暇がなかった。
なので仕事を終え、帰宅する前にカメラを覗いてみた。

二人は台所に居た。
茂造さんは立ったまま晩御飯を食べている。
なぜか最近、立ったまま食事をする事が増えた。
そして綿子さんも立ったままだ。
なんだか様子がおかしい。
テーブルに手をつき、ハアハアと肩で息をしている。
そして「痛うていかんのや。食べられんかも知れんわ。ちょっと横になるわ」と言って部屋に引っ込んでいった。
茂造さんはおかまいなしでひたすら食べ、自分でお茶を淹れて「熱いが!」とブツブツ言いながら飲んでいる。
しばらくすると満足したのか、食べ散らかしたまま部屋へ戻って行った。
やれやれ。
それにしても綿子さんは大丈夫だろうか?
今日も天気が良かったから外に出てゴゾゴゾしていたのだろう。
ひょっとして転んだんだろうか?

家に戻り、かつおさんにさっきの綿子さんの様子を伝えた。
かつおさんも「どうせまた歩いて買い物にでも行ったんやろ」と言っていた。
そんな話をしながらまた見守りカメラを見ると、宅配弁当の入っていた発泡スチロールの箱を小脇に抱え、玄関から出て行く綿子さんの姿が映っていた。
しっかりした足取りだ。
大丈夫そうだ。
そう思っていたら「ピーンポーン」、チャイムが鳴った。
か「ばあさんかな?」
好「そうやろ」
かつおさんが玄関に向かった。

玄関のドアを開けると死にそうな顔をした綿子さんが立っていた。

綿「腰から上が痛うていかんのや。痛うて寝られへんのや。病院に連れて行ってくれんかの」

か「どしたんや?こけたんか?また歩いて買い物に行ったんか?」

綿「どこも行っとらへん。打ってもないし、こけてもない。なんか急に痛うなったんや」

そう言いながら震えていたそうだ。
かつおさんもさすがに心配になった。

か「明日、会社休んで病院に連れて行ってやるわ。今日はもう寝とけ。それより、こんなんやのに何で電話してこんのや」

綿「お前が居るか分からんから」

珍しく杖をついてヨロヨロしているので家まで送って行った。

スキップをしながら家に戻ってきたかつおさん、ニッコニコしながら「入院かな?」と言う。
久しぶりに入院もいいかも。
その間骨休みができる。
綿子さんには悪いがかなり嬉しい。

けれど綿子さんの場合、アカデミー賞女優ばりに演技が上手いからな。
なので本当にとっても痛いのか、少し痛いだけなのにオーバーに言っているのか分からないところがある。
以前、畑で転んで背中を強打したことがあった。
「痛くて寝れないから病院へ連れて行ってくれ」と言い出した。
この時も歩きかねる様子で、今にも死にそうな顔をしていた。
その日は日曜日だったので、当番医を調べて連れて行ったのだが、診察の結果、「どこも折れてないし、ヒビも入ってないですよ」と言われたのだった。
すると帰宅早々、畑に行ってクワをふり始めたのだった。
何やそれ!痛うて寝られんのでなかったんかい!
『病は気から』を見せつけられた。

こういった事はちょくちょくあるので、わたしたちは綿子さんの言葉を100%信用することが出来ないのだ。

明日、病院で診てもらったら本当のことが分かるだろう。
ウキウキ



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