かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:米

2月9日木曜日

夜8時過ぎ、久しぶりにチャイムが鳴った。
綿子さんだった。
茂造さんがショートステイに行く前から来てなかったので、2週間ぶりだ。

綿「好子さんのとこ、米あるんな?あるんやったらちょっと分けてくれんやろか?」

米なら納屋の冷蔵庫にあるはずなのになんでうちに来るんだ?
それに月曜から土曜までは毎日宅配弁当が届くから米なんか要らないじゃないか。
朝は必ずパンだし、昼はデイサービス先で食べるのだから。
木曜の夜にわざわざ米を取りに来る必要はないではないか。

とりあえず綿子さんの応対はかつおさんにバトンタッチした。

「ばあさん、納屋に米なかったんか?」

綿「ついとる(精米してある)んは全然ないんや。また、お前ついてきて・・・」

「また、わしがついてくるわ」

相変わらず被せていくかつおさん。

「そしたら、これ持って帰れ」と我が家にあった米を分けて渡した。
「それよりこんな用でいちいち来るな!晩遅いのに!電話してこいよ!」
「あ~あ、怒られに来たみたいやわ!」
いつものパターンだ。
やれやれ。

それにしても綿子さんは相変わらず着たきり雀だ。
誕生日プレゼントのベージュのセーターを17日間プラス7日間も着続けたので色違いを買ってきて渡したのだが、そのグレーのセーターを着てから、はや9日が経った。
デイサービスに行く時はこのセーターの上にフリースのジャケットやカーデガンを羽織って行くので、見えないから大丈夫と思っているようだ。
前回のベージュのセーターの時とは違って、デイでお風呂に入るので下着は替えているからまだましだが、それでも10日近く昼も夜も着続けたらヤバいでしょ。

わたしはマスクをしていたので気付かなかったが、かつおさんはマスクをしていなかったのでとても臭かったそうだ。
生臭い魚の臭いがして吐きそうになったそうだ。
こいつはくせえーっ

「それ上手いこと着替えるように誘導せんと、デイサービスの人に迷惑やで」

「明日の朝、言うわ」

しっかり頼むでかつおさん!


↓ポチッと押して頂けると嬉しいな(*^ω^*)
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村



日曜日の夜、また電話が鳴った。
案の定、綿子さんからだ。
そしてこれまた案の定
「退院しようと思うから迎えに来てくれ」
という用件だ。
勝手に言ってろよ

「あほか!とりあえず今月いっぱいはそこにおれって言うたやろが。
  そんな自分の都合で入ったり出たり出来んのじゃ!」

綿「米、送ったり配りに行かないかんのに」

「そんなん、どっちでもええやろが!
  とにかくまだそこでおれ!」

電話を切ったかつおさん。
カッカしている。
入院してもなおストレスを与えてくる綿子さん。

マジ勘弁してくれーーー!!


↓ポチッと押して頂けると喜びます\(^^)/
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村


土曜日の昼間、電話が鳴った。
今日はかつおさんは仕事に行っている。
仕方なく電話に出るとやっぱり綿子さんからだった。

綿「私やけど、かつおおるんな?」

「今日は仕事に行っとるからおらんのや」

綿「そしたら帰ってきたら米を2袋ついて(精米して)くるように言うといてつか」

「2袋やな」

綿「送ったり、持って行ったりする所がいっぱいあるきんな」

「かつおさんが帰ってきたら伝えるわ」

綿「頼むわな」

本人は帰ってくる気マンマンだ。
施設に入れと言ったらどうなるのだろう?
想像するだけで疲れる。
茶番

夕方、帰宅したかつおさんに綿子さんからの伝言を伝えた。

「はぁ⁈ 何、言いよんや。
  いつまで親戚に米を配るんや。自分で出来んのにやめろや!」

またブリブリ怒りだした。

「やっぱり入ってもらわないかん!」



【ご報告】
実は昨日、綿子さんが退院しました。
昨年12月末に退院し、年明けすぐに再入院したことを書き綴ってきましたが、色々な事がありすぎて一つ一つ書いているうちにもう退院の日が来てしまいました。
まだまだ書ききれていない事がたくさん残っていますので、引き続きまだ入院中だった時のことを順次書いていきたいと思います。
とりあえずご報告まで。


↓ポチッと押して頂けると喜びます\(^^)/
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村




昨日の続き



かつおさんは弱気になりつつ、グチをこぼしながら冷めた晩御飯を温めなおして、また食べ始めた
ところ、
ピンポーン

「げっ!今度は何や!
  メシぐらい食べさせてくれよー」

ブツブツ言いながら玄関へ。

綿「米が全然無いんや。3合でええきん、分けてくれ」

昨日、リハビリ野郎に米を渡すとき、初めは3㎏ぐらい用意していたのだが

綿「これでは少ないきん足すわ」

と台所から自分たちが食べる用に精米していた米まで追加してリハビリ野郎に渡してしまっていた。

そりゃ無いに決まっとるやん。

で、うちに貰いに来るぐらいなら全部渡すなよ。
あれだけ反対しても自分の意見を通したんだから自分で何とかせえよと思う。
けど言っても理解できないだろう。

「今、晩御飯食べよるとこなんや。ゆっくり食べさせてくれよ。
  食べてすんだら持って行くわ」

と綿子さんを帰らせた。

食事中、ずーーーーっとブツブツとグチが止まらない。

「なんか食べた気がせえへん!」

1時間ほどすると大分落ち着いてきた。
やはり時間を置くということは大事だ。

「米、持って行ってくるわ」

きっちり3合だけ持って行った。
すぐ帰って来るのかと思っていたら1時間ぐらい帰ってこなかった。

「何しとったん?」

「廊下の元スイッチにカバーをして押せんようにしたり、部屋の電気のリモコンのチャンネル部分も触れんようにカバーしたんや」

やるじゃん!

「それからIHの使い方を30分ぐらいずーーっと教えよったんや」

「綿子さん覚えられた?」

「何回も、何回も繰り返しやったら大分覚えたみたいや。
  本人も覚えたいみたいで、ヤル気になっとったし」

「へぇー」

「上手いこと出来たら「よろしい!」とか「やったら出来るやん!」とか言うて褒めてやったらむっちゃ喜んでな。デイに見学に行って体操しよった時みたいに目を輝かせとんや」

「へぇーー」

「やっぱり褒められたら嬉しいんやなぁ」

なんだか綿子さんに接するコツを掴んだようだ。
何歳になってもやっぱり嬉しいよね

やっと笑顔になったかつおさん。
たぶん綿子さんも今頃笑顔だろう。
良かった、良かった。


↓ポチッと押して頂けると嬉しいな(*^ω^*)
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村


かつおさんの話には続きがあった。
それによると

デイサービスの見学から戻ると、綿子さんがみどり整形に連れて行けと言い出したそうだ。

「何しに行くんや?」

綿「薬もらうんや」

「薬やったらまだたくさんあるし、その薬は佐藤病院でもらわな」

佐藤病院が元々の主治医で、いつもはそこで高血圧や糖尿病等の薬を出してもらっていた。

綿子さんは仕方なく本当の目的を言った。

綿「リハビリの先生に米渡すんや」

「そんなん渡さんでええ!
  渡す方もおかしいし、もらう方もおかしいわ」

綿「行くんじゃ!」

「行かんでええ!」

すると綿子さんが豹変した。

綿「行く言うたら行くんじゃーー!!」

長生きの代償

まるで小さい子供がおもちゃを買ってくれと駄々をこねる様に両手を振り回しながら叫んだそうだ。
かつおさんは「あかん、これ普通の人でないわ」と絶望したそうだ。
手がつけられないので仕方なくみどり整形に向かった。

病院に着き、取りあえず米は車内に置いたままリハビリ野郎のいるリハビリ室へ行ったそうだ。
綿子さんはリハビリ野郎の顔を見るなり

綿「入院中はほんまに世話になったなぁ。ありがとなぁ~~」

と涙を流したそうだ。
かつおさんはドン引きである。
これが本当に自分の母親なのか?
かなりショックを受けたらしい。
小さな世界

で、結局、米を持ってきたと伝えたが、病院内では受け取りづらいのか、夕方、仕事帰りに家まで取りに行くからということになったそうだ。
そして夕方、きっちり取りに来た。

やっぱりありえねぇ!!!
この2人!!


それにしても老いとは本当に恐ろしい。
綿子さんの名誉のためにも言うが、こんな人では無かった。
優しくて、忍耐強くて、分別のある、周りに気配りのできる人だった。

今は自分のやりたいことに正直で、それが良いことか悪いことかの判断ができない。
特にかつおさんの気持ちを思いやることができない。
老いとは残酷だ...


↓ポチッと押して頂けると喜びます\(^^)/
にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ
にほんブログ村



↑このページのトップヘ