かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:綿子さん

一方、綿子さんの帰宅は問題アリアリだった。
まずはわたしが茂造さんの迎えに外に出るとスッと台所に避難したが、その後家中のチェックを始めたそうだ。(ハルちゃん談)
あちこちを見て回り、台所で洗い物をしていたハルちゃんに「この水道の蛇口は私が居った時のと違うのぉ。私が居らんようになってから替えたんやのぉ」と言ったそうだ。
はぁ?何を言っているんだ。
ずーーーっと前からコレやん。
そりゃあ色々掃除して片付けをしたから物の位置は変わっているし冷蔵庫の中はほぼ空だが、リフォームなどはしていない。
一番変わったのはレンタルの手すりが無くなったことだが、それは返却しなくてはならず仕方のない事だ。
この汚い蛇口が??

けれど何か気に障ったのか本当に家中をチェックして回ったのだった。
以前はちっとも近づかなかったフネさんの部屋まで覗いている。
そして自分の部屋ではタンスの引き出しを一つづつ開けてチェックし服や下着を取り出した。
このタンスはつい先日私が整理したところだった。
もう二度と着ないであろうくたびれた服とまだ着られる服に仕訳し、着ない服は奥の部屋の押入れの収納BOXに入れ、このタンスには秋冬物と、もし痩せれば着られる比較的きれいな服をしまっていた。
こうしておくと次の衣替えがスムーズに出来る。
綿子さんはこの中からブラウスなどを引っ張り出していた。

「何しよん?これどうするん?」

綿「いや施設に持って行こうと思うて」

「こないだ春夏物いっぱい持って行ったやろ。あれで足りんの?」

綿「いや、足りん訳ではないけど、これもあったらええかと思うて」

「それは色味からして秋物やからまた秋に持って行こうと思とったんやけど。それにこれはパジャマやで?パジャマ足りんの?」

綿子さんが手に持っていたパジャマは長年タンスの肥やしになっていた物だ。
一度も着たことがないものだった。
てっきり気に入らないから着ないのだと思っていた。
が、キレイなのでこちらのタンスにしまっておいたのだ。

綿「えっ?パジャマなん?」

「そやで」

あと新品でタグが付いたままの長袖Tシャツを握っていたがこれは明らかに小さくて着られないだろうという物だ。
けれど「そしたらこれだけ持って行くわ」というので諦めた。
合わんやろと言っても気を悪くするだけだろう。
好きにしてくれ。
そして下着も1組持って行くそうだ。
先日の衣替えで下着は大量に持って行った。
シャツは長袖3枚、半袖3枚、袖なし3枚用意した。
それでも足りないのか?
ていうか洗濯物に出される下着は大抵同じ2枚が変わりばんこ戻って来ている。
そんなに要る訳ないのは明らかだ。
だけど言って聞かせるのも面倒くさい。
まっええか。
けどまたタンスの中がぐちゃぐちゃだ。
せっかくキレイにたたんで整理しておいたのに!
勘弁してくれーー!


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そしてこの会食の最中、みきさんと典さんに電話をかけた。
みきさんは綿子さんと麦さんの妹だ。
綿子さんの兄弟は8人だがここ近年次々と亡くなり後はこの3人と米さんの4人だけになってしまった。
綿子さんと米さんはいぶきの森に入所しているしみきさんは遠方に住んでいるのでなかなか会う事も話をする事も出来ない。
今日は話をする絶好の機会なので電話をかけた。
実はみきさんは昨年腰の骨を折ってしまい、ほとんど歩けなくなっているそうだ。
電話が離れた場所にあると取るのに時間がかかるそうだ(麦さん談)
長い間呼び出し音を聞いていたらつながった。

「みき元気?今な、綿ちゃんと一緒におるんや。ちょっとビデオ通話に切り替えるからもう一度かけ直すわ」

そしてLINEのビデオ通話で話をした。
お互いの顔が見える。
顔を見るのは何年ぶりだろう。

綿「うわ~みきか?元気にしよるんか?」

そう言ってまた泣きだした。
そしてゆうくんも披露した。

み「綿ちゃん、ひ孫だけたんや。良かったね」

綿「ほんまに良かったわ~」

これまた幸せな時間が過ぎた。
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一方、典さんは外出中でちょっと電話が出来ない状況なので後でかけ直すわとの事だった。
が、なかなか折り返しが来ない。
結局お開きになるまでにかかってこなかったので話をする事は出来なかった。
残念。
またの機会に。


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そして11時半頃翔ちゃんがやって来た。
翔ちゃんには折り詰めを取りに寄ってもらっていたのでこの時間になった。
一気にリビングが賑やかになったがわたしは食事の準備があるので台所へ。

そして茂造さんが「腹がへったのぉ」と言い出したので急いで座敷に用意したテーブルに支度を始めた。
みんなにテーブルに着くように案内する。
座る位置は下図のとおり。
フォーメーション


あらかじめこう計画して準備していた。
これが綿子さんは気に入らない。
茂造さんの前が嫌なようだ。
「そしたら麦さんと入れ替えるわ」と言うと「それは悪いからこのままでええ」と渋々席に着いたのだった。
本当に面倒くさい。
そんなんだから忘れられるんじゃん。

折り詰めやコップを配りお茶を注いでいく。
こんな時茂造さんは待てない。
目の前に食べ物があったら一人先に食べ始めてしまう。
しかし今日は違っていた。

「みんな揃うまで待たないかん」

どうした⁈茂造さん!
急に普通の人みたいなことを言うのでみんな驚いた。
いぶきの森で集団生活を送るようになったからか?
人として成長しとるやん!
素晴らしい!
といっても普通の人は元から出来るのだが、茂造さんにはできなかったことだ。
本当に驚いた。
で、ちょっとだけフライングしたことは目を瞑ろう。

みんなのコップに飲み物を注ぎ、さあみんなで乾杯だ。

「ゆうくんの健やかな成長を願って乾杯!!」

皆「乾杯!!」

賑やかな会食が始まった。

続く

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そうこうしていると庭に車が入って来る音が聞こえた。
茂造さんが到着したようだ。
わたしは急いで車まで迎えに行った。
その時の綿子さんの様子についてあとでハルちゃんから聞いたのだが、わたしが「あっ、茂造さんが帰って来たようや」と部屋を出た途端、スクっと立ち、サーっと台所へ行ってしまったそうだ。
やれやれ。

一方、茂造さんは車から降り、玄関へ向かいながら
「これは覚えとる!この扉も覚えとる!」
なんだがテストをしているようだ。
転ぶといけないので腕を取って寄り添っているのだが、本当にとても痩せていてガリガリだ。
けれど声は大きく張りがあって元気そのもの。
ずーーーーっと喋っている。
とりあえず綿子さんと同様、手すりを付けたリビングの上り口から部屋に上がってもらい、ソファに座って一休みだ。
これだけ歩くだけでも大変そうだ。
しかしすぐに「お~この部屋は覚えとる!」
そしてまた周りの人を見て「あんた誰かな?」と点呼を繰り返す。

「かつおや」

「ほうか、かつおか。あんたは誰な?」

「かつおの嫁や」

「名は何いうんな?」

「好子や」

「好子さんな。あ~思い出した。好子さんな。あんた誰かな?」

「かつおや」

無限ループだ。

そして「ちょっと仏壇参るわ」と言い出した。
色々忘れても仏壇をお参りすることは忘れない。
やっぱり信心深いんだなぁと感心する。
こういった姿を見ると以前茂造さんが独り言でつぶやいていた言葉を思い出す。
※その時の言葉は下のリンク参照

それにまだ元気で自転車に乗っていた頃はほぼ毎日お寺にお参りに行っていたっけ。
茂造さんにとって先祖や神仏を大事にするという事はとても重要な事なのだろう。

仏壇を参った後、またリビングに戻りソファーに腰かけ一息ついた。
そしてまた「あんた誰な?」と点呼が始まった。
すると賑やかなリビングが気になったのか綿子さんが寄ってきた。
茂造さんが綿子さんを指さして「これは誰な?」と言った。

「綿子さんやで」

「綿子?」

「茂造さんの奥さんやん」

「おお!綿子か!わしの嫁や」

「思い出した?」

「おお、そうや綿子や」

綿子さんは驚いたような複雑そうな顔をしていた。
そしてまた茂造さんはかつおさんに向かって

「お前は秀夫やろ?」

「違うわ!かつおや!」

「ほうか。これは誰な?」

「好子やで」

「これは誰な?」

「綿子さんやがな」

「おお、そうやった」

綿子さんはますます複雑そうな顔になっていった。

よく考えると茂造さんが昨年3月にいぶきの森に入所して以来、綿子さんは面会にもいかず、ほとんど茂造さんには会ってなかった。
その前の2月に綿子さんが入院してしまってからほぼ会っていない。
昨年10月末と12月の初めに茂造さんを家に連れて帰って来た時に会った2回だけだ。
その時はまだ綿子さんのことをかろうじて覚えていたと思う。
その時だって綿子さんは茂造さんをなるべく避けるようにしていたので忘れられても仕方ないよなって思う。
綿子さんも茂造さんの現状を把握できてなかったのだろう。

茂造さんが居ないところで
「じいさん、あんな風になっとったんやのぉ…」とつぶやいていた。
自分の事を忘れてしまっていることに結構ショックを受けているように見えた。

「そうや、だからいぶきの森の中で会うてもばあさんのことや分からへんと思うぞ。4階まで押しかけてや来んわ!」

綿「・・・・」

ショックを受けている綿子さんに追い打ちをかけるかつおさんだった。
それはそれ、これはこれ


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5月25日 土曜日

いいよいよ今日、茂&綿が自宅に戻ってくる。
ゆうくんにも初めて会ってもらうことになっている。
この日のために入念に計画を練った。

先ず今週の初めにいぶきの森へ連絡し、土曜日に二人を外出させたいと申し出て、10時に綿子さんを、10時半に茂造さんを迎えに行き、そして15時半に綿子さんを連れて行き、16時に茂造さんを連れて行く予定だと伝えた。
もちろんOKだ。
しかし生ものは食べさせないでくださいねと念を押された。
そしていぶきの森の許可をもらったあと当日のお昼にみんなで食べる折り詰めを注文した。
こぢんまりだがゆうくんの名つけのお祝いをするためだ。
参加するのはゆうくん、ハルちゃん、数くん、茂造さん、綿子さん、かつおさんとわたし、それに翔ちゃんだ。
そして麦さんも参加してもらえることになった。
これである程度準備は出来た。
そして今朝、朝早くから茂造家へ行き、家中に掃除機をかけ、ふすまを外し座敷にテーブルと椅子を並べた。
今日使う小皿やコップを出した。
ゆうくんのミニベッドも運んできた。
これで迎え入れる準備はOKだ。

10時前、かつおさんがいぶきの森へ出かけて行き、綿子さんを連れて帰って来た。

「お帰り~綿子さん。さあ、こっちから上がって」

レンタルしていた手すりが無くなったので土間から上がりにくくなっていた。
そこでこれも今朝、急きょ廊下の手すりを外してリビングの上り口に付け直した。
なのでここからなら安全に上り下りできる。

リビングのソファに座り、早速ゆうくんとご対面だ。

綿「うわ~かわいいなぁ~」

「抱っこしてやって」

綿「かまわんの?」

ゆうくんを抱いた綿子さんはとても幸せそうだ。

綿「まさかひ孫を抱ける日が来るとは~。嬉しいわ~」

また泣きだした。
今日はちゃんと目が潤んでいた。
ゆう君良かったね

綿「この子キレイな顔しとるな~」

「やろ~」

「赤ちゃんはみんなこんなもんやろ~」

綿「いやいや、キレイや~」

しばらく抱っこしたまま顔を眺めていたのだけれど、ゆうくんがぐずり始めた。

「そろそろお腹が空いたかな?」

ゆうくんを受け取った。

綿「この子、何を飲んどるん?」

「母乳とミルクと両方や」

綿「お乳は出よるんな?」

「まあまあ出よるけどミルクも足しとるんや」

綿「それはええ!お乳が出るんなら良かったわ。安心したわ~。出んかったら大変や」

「そやな。ミルクって高いからな」

綿「この子に何か要る物があったら私のお金で買うてやって。お祝いや。まだあるやろ?」

そう言いながらわたしの方を見た。

「あるある」

綿「そしたらそこから渡してやって」

「いやいや、お祝いはもう貰ったで」

綿「それは違う!この子にやるんや」

この間のお祝いは出産祝いでハルちゃんにやったもので、今言っているのはゆうくんへの誕生祝という事のようだ。
理解したハルちゃんは

「ありがとう~!そしたらミルクを買わせてもらうわ」

綿子さんの『あげたい病』は健在だ。
ハルちゃんラッキーだったね!



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