かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:若い頃

昨日の続き

おやつタイムをはじめようとして二人のおやつが違う事を思い出した。
あら困ったな。
二人のおやつが別々のものだとやっぱりまずいでしょ。
仕方ないのでメロンパンをちぎって二つに割った。
また温かくいい匂いだ。
二人とも喜んで食べた。
その間も二人の間に会話ない。
黙々と食べていたらようやく綿子さんが

綿「久しぶりや」

と言った。
が、なぜか茂造さんに向かってではなく、かつおさんに話しかける。
なんでやねん。
そうしているうちに茂造さんはメロンパンを食べ終わり

「もう寝よ」

ベッドに寝ころんだ。

「ちょっと待ってよ。せっかく綿子さんが来てくれたのに。奥さんやで」

「誰?」

「綿子さんやが」

すると起き上がりまじまじと綿子さんを見たかと思ったら

「違う!」

一言で片づけた。

「違うことない!」

「何が違うんや?」

「綿子さん、どこから来とん?」

「ニゲタや」

しばらく考え込む茂造さん。

「ニゲタか!…違う…クスミや…お城があるんや」

必死で記憶を手繰っているのかポツリ、ポツリと喋る。

「それは〇〇さんや」

「〇〇市〇〇町〇〇番地」

おいおいそれは自宅の住所やん、話がそれていっとるやん。
そして茂造さんは「もう寝よ」とまたベッドに寝転んだ。
せっかく来てくれたのにそれはないやろ。

「茂造さん、もう一つおやつあるで、食べる?」

と、どら焼きを見せた。
すると

「おつ!ええの!食べる!」

とすぐ起き上がった。
どら焼きも二つに割って渡す。
大きい方を茂造さんに小さい方を綿子さんに。
しかもかつおさんが機転を利かせて「美味そうや、わしも一口くれの」と綿子さんの方を一口かじった。
これで実質4分の1になった。
かつおさんナイス!

で、茂造さんはこれまた一瞬で食べ終わる。

「ほらじいさん、ばあさんが会いに来てくれたぞ。綿子さんやで」

茂造さん、じっと綿子さんの顔を眺めまたも「違う!」

「違わんぞ、ばあさんやないか」

茂造さんしばらく考え込んだ後

「違う、こんなん違う」

失礼な!

綿子さんがやっと口を開いた

綿「私の事わかる?」

「知らん」

ありゃりゃ。
しばらく会わなかったからまた振り出しに戻ったようだ。
茂造さんの記憶の中では若い頃の綿子さんしかいないのだろう。
ちょくちょく会わせないと歳をとった顔を忘れてしまうのね。
自分の顔を鏡で見ることもないのだろうか?
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昨日の続き

そして2階、茂造さんのところへ。
早く行かないと昼食が始まってしまう。
茂造さんはもうすでに入れ歯を入れた状態でデイルームの指定席に座っていた。
いつも届けている牛乳を飲んでいた。
こういうものは部屋で飲んでるのかと思ってたけどここで飲んでるのね。
ま、茂造さんの席はデイルームの隅っこだから大丈夫なのかな。

おやつ持って来たから部屋に行こうと声をかけた。

「もう飯やろが」

「その前におやつ食べようで」

茂造さんなら食事前におやつを食べても満腹中枢がイカレてるので余裕でご飯も完食するだろう。

部屋に着きおやつのとうもろこしを出すと

「うわ~!!美味そうや!」

喜んでかぶりついた。

「美味い!甘いのぉ~」

そして食べながらいつもの名前の確認が始まった。

「あんた誰な?」

「好子や」

「よしお?男か?」

「違う!好子!」

「よしお?」

なんでそうなる?
ちょうど紙と鉛筆があったので書いて見せた。
するとようやく理解して

「あっ、好子さんな」

「そうやで」

「よっちゃんか」

おっと、初めてよっちゃんて呼ばれたわ。

「よっちゃんはどこから来たんな?」

「えっ?✕✕市からやで」

「✕✕市?」

「そうや」

「ほなやっぱり好子ちゃうやないか!」

「えっ?」

どうも姪のよし江さんと間違えてたようだ。
道理で。
よし江さんは昔、茂造家に数カ月住んでいたことがあるそうだ。
やはり茂造さんの記憶の中心は若い頃なのね。
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