かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:茂造さん

その後もゆうくんを見て茂造さんは「わしにそっくりや~。わしの顔にそっくりやが~」と何度も言い続ける。
ハルちゃんが「それ悪口やん」とぼやいた。
すると廊下にいたスタッフさんが思わず吹き出した。
「ごめんなさいね。聞こえちゃって(笑)」
この会話は茂造さんには聞こえてないから大丈夫。
基本自分の言いたいことだけ言って人の話は聞いて無いもの。

今日は「家に帰りたい病」が落ち着いていてよかった。
落ち着いている時の茂造さんはやっぱり面白い。
ほんと楽しく過ごせた。
けど帰ろうとしたら「帰るんか?そしたら一緒に行くわ」と言い出した時には焦った。
が、一緒に部屋を出るとデイルームの自分の指定席に座った。
ホッ。
行くってココのことだったのね。
良かった。

「ほなまたね」

あっさり別れられた。
今日はとっても優秀じゃん。
いつもこうだといいのにな。
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昨日の続き

そして次に皆で2階に移動した。
茂造さんは部屋にいるようでデイルームに姿は無かった。
茂造さんはいるかいないかすぐ分かるが米さんは分からない。
それくらい以前とは変わってしまっていた。
なのでスタッフさんに尋ねる。

「米さんはどちらですか?こちら米さんの妹さんなんです」

ス「今、部屋で休んでますね。ご案内します」

かつおさんに茂造さんの相手を任せ、麦さんと米さんのもとへ向かった。
米さんの部屋は4人部屋だった。
廊下側の入って左手だ。
米さんはベッドで横になっていた。

ス「米さん、妹さんが会いに来てくれたよ。起きようか」

耳がかなり遠いのかスタッフさんは耳元で大きな声で話しかけていた。
米さんは何も返事をしない。
麦さんが近寄って「姉さん、会いに来たで。私、誰か分かる?」と声をかけた。
が、やはり反応がない。

「麦やで。久しぶりやなぁ」

色々声をかけてみるがやっぱり反応はほぼない。
スタッフさんも耳元でいろいろ話しかけてくれたが、米さんは何も喋らないし表情も変わらない。
6月に会った(見かけた)時よりいっそう進んでいるいるみたいだ。

しばらく一方的に声掛けしたが反応が無いので諦めた。
茂造さんの部屋へ向かいながら麦さんは涙ぐんでいた。

茂造さんの部屋ではかつおさんがゆうくんを連れなんとか茂造さんの相手をしていた。
こちらはいつも通り。
茂造さんは元気いっぱいだ。
私たちが部屋に入るとちょうど麦さんお手製の栗おこわを食べさせようとしていたところだった。

「ほれ、じいさん、栗おこわや」

「おお~ええのぉ!美味そうや!」

麦さんは茂造さんの傍に近寄って挨拶した。

「お兄さんお久しぶりです」

「じいさん、誰か分かるか?」

「麦さんや」

おおーーー!!
凄いじゃないか!!
今日は絶好調のようだ。
ま、『栗おこわ=麦さん』と刷り込まれていたという事かもしれないが。

茂造さんは栗おこわをとても美味しそうに食べた。
食べ終わると入れ歯を外し、入れ歯の裏側に挟まった米粒までキレイになめた。
麦さんも居るのに行儀が悪い!
ま、誰がいようがお構いなし、我が道を行くのが茂造さんだ。
幸い麦さんは大笑いしてくれたので良かった。
ここまで喜んで食べてくれたら作ってきた甲斐があるわと言ってくれた。
茂造さんの面会は明るく過ごせていい。
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昨日の続き

またも茂造さんによる点呼が始まった。
「あんた誰な?」
「かつおや」
「お前はだれかな?」
「翔平や」
「お前は秀夫やろ?」
「違うわ、かつおや!秀夫は弟やろが」
「そしたらお前は誰や?」
「かつおや。じいさんの息子や」
そんな会話が続いていたのだが今日はそこからちょっと話題が替わった。

「綿子はどこや?田んぼ行っとるんか?」

入所して以来、今まで茂造さんの口から綿子さんの名前が出たことは無かったので驚いた。
どうしたんだ?
急に思い出したのか?

「病院や。入院しとるわ」

「どこが悪いんや?」

「また骨折ったんや」

「ええ!また骨折ったんか?⁉」

「そうや、だから病院におるんや」

「どこの病院や?またいっぺん連れて行ってくれ」

まさかこんな事は言い出すとは⁉
綿子さんのことを聞かれるとは思っても無かったので打ち合わせはしていなかった。
翔ちゃんとハルちゃんが機転を利かせてくれた。
同じ施設にいる事は絶対に知られてはいけない。
ま、なんとかかわせたようだ。

そして茂造さんは昔の話を始めた。

「わしのじいさんはええ人やった。わしを大事にしてくれたんや。オヤジには怒られるばっかりやった。しょっちゅうまな板みたいな板で頭をどつかれとったんや。だからわしの頭はへこんどるんや」

別にへこんではないと思うが…。
それにしてもやはり為五郎はクソエピソードしか出てこない。
ろくな人間じゃなかったようだ。
為五郎はクズ


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7月27日 土曜日

今日は茂造さんの92歳のお誕生日!!
おめでとう!!
という事で家に連れて帰ってお祝いを!
10時半ごろかつおさんと翔ちゃん(朝から駆けつけた)で茂造さんを迎えに行った。
わたしとハルちゃんとで茂造さんちで迎える準備だ。
今日のお昼ご飯には近所の食堂で鰻入りのお弁当を買ってきた。
それと大好物のショートケーキも用意した。
これでバッチリだ。

茂造さんは家に着くなり大きな声で「ここは覚えとる!」とか「あぁ思い出した!」と記憶の確認に忙しい。

「やっと家に帰って来れたが~。何年あそこで居ったんかのぉ?」

イヤイヤ、外出しただけで夕方には戻るんやで!
まさかもうずっとここにいるつもりじゃないよな?
恐ろしい事を言わないでほしい。

そしていつものようにわたし達の点呼が始まった。

Ⓐ「あんた誰な?」
「かつおや」
「あんた誰な?」
「好子や」
「あんた誰な?」
「翔平や」
「あんた誰な?」
「ハルや」
Ⓐに戻る

延々ループだ。
聞いたそばから忘れてしまう…。
ま、とにかくお昼にしよう。

テーブルに着いた茂造さんの前にお弁当を置くと「おお~美味そうや~」と目を輝かせた。
そして目の前に座っている翔ちゃんに向かって「ビール無いんか?」と言い出した。

「ない!」

「なんで用意してないんや!ビールか酒は無いんか?飲みたいが!」

まさかアルコールを欲しがるとは⁉
入所してからお酒は飲んでいないし、入所前もほとんど飲まなくなっていたのに。
それに飲ませるのは施設的にNGだろう。
実は目の前で翔ちゃんは缶ビールを飲んでいた。

「お前それ何飲んどんや?」

「ジュースや」

「ほうか。酒と違うんか」

騙されてくれた。
ホッとした。
そしてコップにお茶を注いでみんなで乾杯した。

「じいさん誕生日おめでとう!」

「わしの誕生日は7月17日や」

「いやいや違うやん。27日やが。今日やで」

「ほうか?」

相変わらず17日が誕生日だと思っている。
なかなか修正できないようだ。

茂造さんは黙々とお弁当を食べた。
時々「美味いのぉ!」と言う。
施設ではずっと喋りながら食べているらしいのに今日はどうしたんだ?
あまりの美味しさに口数が減っているのだろうか?
このお弁当、施設で食べている量に比べるとはるかに多い。
なので「無理して食べきらんでええからな。残してええんで」と声をかけた。
が、どんどん食べる。
食べすぎでは?大丈夫か?心配になる。
ほぼほぼ食べ終わったが鰻は残っていた。
もしかして鰻は嫌いだったのか?
けど心配は無用だった。
最後に美味しそうに食べた。
好きなものは取っておくタイプなのね。
そして完食してしまった。
これでいつものように昼寝に行くだろう。

「じいさん、寝るか?」

「おう、疲れたから寝るわ」

ベッドへ誘導し寝かせた。
やれやれ、やっと一息つけると思ったら茂造さんはすぐ起きてきた。

「どうしたん?」

「せっかくやからみんなのとこにおるわ」

マジか⁉
こんなことを言い出したのは初めてだ。
茂造さんをリビングに連れて行った。
そしてまたも点呼が始まったのだった。
一休みさせてくれ!!
ひとりでいけよ

続く

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昨日の続き

そして2階の茂造さんのもとへ。
またまた食堂兼デイルームに入所者さんが揃っていた。
茂造さんもいつもの席にいたのだがテーブルに突っ伏している。
???
寝てるのか?
とりあえず声をかけてみた。

「茂造さん、こんにちは。また来たで」

「う~~」

やっぱり寝ていたようだ。

「今日もひ孫が来たで」

「お~ゆうきか!よう来たの」

顔を上げゆうくんの顔を見た。
が、すぐ

「こないだ抱いたから今日は抱かんでええ」

そう言ってまたもテーブルに突っ伏した。

ス「あらあら茂造さん、せっかくひ孫ちゃんが来てくれとるのに」

「茂造さん、ちょっと部屋へ行こう!」

「部屋か?おう、部屋で寝るわ」

なんとか部屋へ連れて行った。
早速ベッドで横になろうとする。

「ちょっと待って。はいこれ。桃やで」

急いで桃を差し出した。

「おお~これはええ~」

夢中で食べた。
が、食べ終わるとまたもネムネムモードだ。
ゆうくんを少しつついて「もうええ!」と横になってしまった。
どうしても睡魔に勝てないようだ。
先週とのギャップが凄い!
こりゃダメだ。
なので早々に帰ることにした。
来週は前回のように午後から行くことにしようと思う。
これだけでも奇跡だから


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