かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:要支援

ついでに気になっていたことを聞いてみた。

「こんな状態で家に戻るのなんて無理ですよね?もし要支援になったらどうしましょう?」

もし要支援になった場合、もちろん即、区分変更の申請をするつもりだ。
が、その結果が出るまでどうしたらいいんだろう?
その間もここに居させてもらえるのだろうか?
そんな事は出来ないとなれば早めに色々準備をしないと。

大「家に戻るのなんて絶対無理ですよ。けど要支援になることは無いと思いますよ」

「そう思います?けどこの間、調査員の前では凄くしっかりしていたそうで皆がヤバいかもって」

大「そうみたいですね。綿子さん頑張っちゃったのね。けど要支援になることは無いと思いますよ」

大井さんから見た綿子さんはやはり徐々に痴呆も進んでいるそうだ。
10分前の話は覚えていないそうだ。
しっかりしているように見えても入所した頃に比べると緩やかに全てが悪くなっているそうだ。

大井さんと話をして少しは希望が出てきた。
ちょっとだけホッとした。
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午後からかつおさんと茂&綿の面会へ。
ハッキリ言って今日は綿子さんに会いたくない。
優しく出来る気がしない。
それはかつおさんも同様のようだ。
おやつを準備していたのだが元々は柿を持って行こうと買ってきていた。
が、麦さんが栗おこわを持って来てくれたのでそれを一人分ずつタッパーに詰めた。

「柿はどうする?」

「せっかくやからじいさんに持って行こうや。ババアは無し!」

うん、そうしよう。

いぶきの森に向かいながら、先日の調査員の前での綿子さんの振る舞いについては一応、本人に文句を言おうと話し合った。
自分が行ったことの意味を理解してもらわないと。
そのせいでここに居られなくなるかもしれないという事を伝えないとね。
けれど返って家に帰れると喜ぶかしら?

いぶきの森に着き、まずは1階ロビーで綿子さんとの面会から。
とりあえず栗おこわを出して麦さんからだと伝えた。
後はいつもなら色々話を振るのだけど、今日はそんな気になれず。
気を遣う事を止め、放置していたら無言の時間が過ぎる。
で、やっとかつおさんが喋り始めた。

「ばあさん、こないだは何や。あんな何でも出来るみたいにしたらイカンやろが。いつもは立ち上がる時にヨロヨロするくせに、こないだはスッと立っとったやないか!わしビックリしたわ。いつもと全然違うかったやないか。なんで調査員の前であんなことするんや?なんでも一人で出来ると思われたら、ここに居れんようになるんやぞ」

こうして文字で見るとかつおさんがかなり激しく攻め立てたように思えるかもしれないが、実際は割と優しく気を遣いながらしゃべっていた。
綿子さんはかつおさんが何のことを言っているのか理解してない様子。
ポカンとしている。

「ほら、こないだ色々質問しに来た人がおったやろが」

綿「おお~。こないだ見たことない男の人が来とったのぉ」

「はぁ~?男?違うわ!女の人やが」

さっぱり話がかみ合わない。

「こないだ女の人が来てばあさんに「立ってみてください」とか「手をあげてください」とか言うとったやろが」

綿「あぁ~」

「その時のことやが。ここの人に「何でも出来るって言うたらいかんで」って言われとったやろが。なんでいつも出来んことまでやって見せるんや!」

綿「・・・」

「わしもビックリしたわ。曜日を聞かれてもスラスラ答えるし」

綿「・・・」

「要介護が外れて要支援になったらここに居れんのやぞ。どうするんや?一人でやっていけるんか?ほんまに何であんなことしたんや」

綿「ええとこ見せたいが」

ガクッ!!
何それ!
勘弁してよ!

見栄を張った後のことは想像できないのか?
やはり痴呆が進んでいるという事なのか?
そこのところを調査員の方にぜひ気付いてもらいたいものだ。
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10月2日 木曜日

かつおさんは昨日からまた出張へ。
もちろん出発する前に送電中止の件はケリをつけていってもらった。
電話の受付時間が来ると同時に電話して何とか送電中止は免れたそうだ。
なので一時的に停電になることは無かったようだ。
良かった。
とにかくこんなことは二度と起こらないようにしてほしい。

かつおさんがいないので洗濯物の回収はわたしの仕事だ。
まずは4階の綿子さんのところから。

今日はいつにも増して顔を合わせたくない。
一昨日の調査員とのやり取りを聞いてから綿子さんに対して嫌悪感が半端ない。
痴呆だから仕方ないのかもしれないが、それでもどうしてもムカつく。

今日も綿子さんの方は見ずにデイルームを通り抜けた。
手早く着替えをタンスにしまい、洗濯物の袋を取り部屋を出た。
今日はどうも気付かれなかったようで追いかけて来なかった。
良かった。

デイルームの手前まで戻ったところでスタッフさんに声をかけられた。
このスタッフさんは4階のスタッフさんの中でもベテランっぽい人でわたし達の気持ちもよく理解してくれている人だ。
綿子さんには気付かれない様、デイルームの手前の綿子さんからは見えない位置で話をしてくれた。
ありがたい。

ス「この間、ご主人さんは大丈夫でしたか?」

「えっ?」

ス「かなり動揺してらっしゃたので」

「ああ介護認定の時のですね。ええ、かなり狼狽えて「ヤバい、ヤバい」って連発してました(笑)」

ス「ほんとあんな綿子さん、私も初めて見ましたよ。あっ私、調査に立ち会ってたんです」

「絶好調だったそうですね」

ス「そうなんですよ!いつもと全然違ってしっかりしててビックリしました。あとで調査員の方にはいつもはこんなことは無いんですってかなりアピールしときました。普段は一人で歩かせられなくって職員が付き添ってるんですって。それにトイレも付き添わないと汚したりしますしって。いえ、汚すことは無いんですけどね。とにかくいつもはこんなこと無いって事をアピールしとかないとと思って」

スタッフさんは一生懸命フォローしてくれたようだ。
話を盛ってまで。
ありがたいことだ。
けどこれはスタッフさんでもヤバいと感じるほどだったという事では?
なんだかますます不安になってきた。
マジでヤバいのでは?

「なんで調査員の前で出来るアピールをするんですかねぇ」

ス「一応、朝からあんまり出来るって頑張ったらダメよって言ってたんですけどねぇ。ま、調査員の前で頑張っちゃうのはあるあるですからね」

ほんと頑張るにもほどがあるだろう!
これで本当に要支援になったらどうしよう。

ス「要介護が付くことを祈ってます」

「ありがとうございます」

どうか要介護が付きますように。
わたしも祈ろう。
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9月30日 火曜日

今日は綿子さんの介護認定のために調査員が聞きとりにやって来る。
いぶきの森で面談するそうだ。
家族は立ち合っても立ち会わなくてもどちらでもいいそうだ。
が、かつおさんは「絶対立ち会います」と有休をとった。

実は先日、草野マネージャーと打ち合わせをした時、「綿子さん、調子がいい時はかなりしっかりしているので要支援になるかも知れません。以前、そういうケースもあったんです」と言われたそうだ。
老健に入所していても要支援になる事があるとは!
そして要支援になったら老健は退所しなければならないそうだ。
そんなの困る!!
心配になったかつおさんは聞きとりに立ち会って要介護がつくようにアピールしなくてはと思ったのだ。

かつおさんは朝からソワソワ、ソワソワしている。

「そうは言うても大丈夫やろ。要介護がついた3年前と比べてもパーキンソンっぽい症状も出とるし、耳も遠くなったし、入所しとっても骨折したくらいやし」

「そうや、それも言うとこう。それと早めに行ってばあさんに釘差しとかないかん。あんまり何でもできるって言うなよって」

「まあ頑張って」


お昼すぎ、かつおさんから電話がかかってきた。
調査員との面談が終わったのだろう。

「はい。どうやった?」

「それがヤバいんや!ばあさんムチャムチャ調子が良くって、何でもできるんや!ヤバいわ!イカンはあれは。」

とても興奮している。
ヤバいを連発している。

「えっ?早めに行って綿子さんに言うて聞かせたんでなかったん?」

「それが行ったらもうすでに調査員が来とって始まっとったんや。急いで中に入ったんやけど、言うて聞かせる間はなくて。それで調査員が「立ってください」って言うたらばあさんすくっと立つんやが!なんも掴まらんとやで!ビックリしたわ!その後も足踏みしたり手を動かしたりとか調査員が言う事全部ちゃんとできてしもうて。いつもと全然違うんやが!」

「マジ⁉いつも立てる時、ヨロヨロしとるやん」

「そやろ!わしもビックリしたわ!で、ヤバいと思うたから「いつもはこんなこと無いのに。こんなばあさん初めて見たわ」ってフォローしたんや。「人間ってすごいですねぇ」って。それから「今日は何曜日ですか?」って質問にも「火曜日です」ってスラスラ答えるし。ほんまヤバいわ。草野マネージャーと4階のスタッフの人も居ったんやけど、いつもと全然違うって援護はしてくれたんやけど、ヤバいわ。」

綿子さん絶好調だったのね。
っていうか知らない人の前だから張り切ったのだろう。
これってあるあるだよね。
けどこういうこと綿子さんだって経験しているのに。
以前フネさんが介護認定を受ける時、調査員の前ではやたらシャキッとして普段と違う様子を見せていて怒っていたじゃん。
今、自分があの時のフネさんと同じことをしている事に気が付かないとは。
やはり痴呆なのねと感じる。

「ヤバいわ!ヤバいわ!どうしよう要支援になったら」

要支援になったらいぶきの森を退所して家で過ごすことになる。
できるだけデイサービスに通うようにしても要支援では何日もは通えないだろう。
せいぜい2日がいいとこだろう。
あとは野放し。
考えただけで恐ろしい。

かつおさんの話を聞いてわたしも不安になってきた。
絶好調すぎる。
マジでヤバいのでは?
痴呆老人が火事場の馬鹿力を見せているということを見抜ける調査員だったことを祈ろう。
結果は半月から1か月後くらいに届くそうだ。
それまで落ち着かない。
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昨日の続き

綿子さんがドーナツを食べている間に洗濯物をチェックした。
やっぱり濡れたタオルが入っている。
バスタオルも使っているのでやっぱりお風呂に入ったのだろう。
そしてタンスの棚には先日見た瀬戸内寂聴の本が置いてあった。
もう読んでしまったのだろうか?

「綿子さん、この本読んでしもたん?」

綿「それなぁ、ここの人が退屈なやろって持って来てくれたんやけど読む気にならんのや。もう返そうと思っとるんや」

やっぱりか。
こうなるような気はしてたよね。

「ところで綿子さん、ここに濡れたタオルが入っとるからやっぱりお風呂に入ったんと違う?」

綿「そうやったんかなぁ」

そういえば昨日かつおさんが言ってたっけ。

「ばあさん、コルセットが痛いからか勝手に除けてしまうんやってスタッフの人が言うとったわ。見つけたら除けたらいかんでって言うて付け直してくれとるんやって。けどばあさんは自分が除けたこと憶えてないんやって。スタッフさんが言うには昨日のことなんかほとんど忘れとるんやって」

そんな事を言っていた。
やっぱりボケが進んでいるのかな。
今日だって昨日か今日、着替えたことを憶えていない。

昨日かつおさんからその話を聞いた時は

「へぇ~、でもかえってええんと違う。綿子さんがボケとるってスタッフさん達がしっかり認識してくれて。それなら要支援に戻る心配も無くなるやん」

そう言ったのだった。
実は綿子さん、いぶきの森の入所者さんの中では優等生で、たまにボケボケ言う事はあるが足腰もしっかりしてスタッフさんのお手伝いができるので次回の介護認定では要支援になるかも知れないと言われていたのだ。
要支援になったらここを出なくてはならない。
それは非常に困る!!
そんなことになったらどうしようと思っていたのだ。
なので今回、結構ボケてることが皆に伝わって良かったと思ったのだが、もしかすると以前よりかなり進行したのかもしれない。
退所の心配はなくなったがこれはこれで心配だ。
ランクダウンすると困るのだ


帰りにスタッフさんに確認したらやっぱり昨日お風呂に入っていた。
ヤバいなぁ。

綿「ずっとテレビつけとるのもあれやからなるべく消すようにしとるんや」

イヤイヤ、しっかりテレビを見て刺激を受けてくれ!

「どれだけ見ても料金は一緒やからな。我慢せんでええで!」

頼むからテレビを見てください!!


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