かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:見送り

部屋で茂造さんにおやつを渡した。
もちろんもみじ饅頭だ。

「お~!これはええ!!これは美味い!羊羹か~!」

いやいや!まだ食べてないし!
羊羹ちゃうし!
しかし食べ終わった後も「羊羹美味かった~」と言っていた…。

茂造さんは今日もかつおさんに向かって「秀夫」を連発していた。
何度訂正して「お~そうか」と言って分かったような顔をしても、しばらくするとまた「秀夫」が復活する。
とにかく秀夫が気になるようだ。
ま、でも今日は「家に帰る!」と言わないだけましだ。

わたし達が「そろそろ帰るわ」と立ち上がると「見送りに行くわ」とついてきた。
いつもなら「そしたらわしはもう寝るわ」と言って横になるのだが、今日はやっぱり何か違う。
そしてガラス扉の前まで来た。
スタッフさんが詰め所の中にあるスイッチを押せばロックが解除される仕組みだ。
ガチャっと音がして解除された。
素早く外に出て急いで扉を閉める。
またもガチャっと音がしてロックがかかった。
わたし達に続いてスルッと外に出ようとした茂造さんは扉が開かなくなってしまい「ちょっとくらいええやないか!」と文句を言ったが、スタッフさんが「ここから出たらダメよ」と言うと「ほうか」と素直に返事をしたのだった。
本当今日は優等生じゃん!
いつもこの調子で頼みますよ茂造さん!
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8月18日(金)~21日(月)

18日、典さんは10時過ぎの電車で帰るとの事で、まだ盆休み中の翔ちゃんが駅まで送って行くことになっていた。
綿子さんはその18日からデイサービスを再開することになっていた。
デイの迎えは9時頃に来るので、典さんより綿子さんの方が先に家を出ることになる。
「今日もデイは休む。私も駅まで見送りに行く」と言い出さないかと心配していたが、すんなりデイへ行った。
きっとデイで自慢話を披露したことだろう。
とにかく色々あった一週間だった。
綿子さんにはとても幸せな一週間だったことだろう。
今日からは元の一人の生活に戻る。
ガタっと気分が落ち込んでしまわないか心配だ。

そしてこの日から宅配弁当を再開した。
そのことはちゃんと覚えていたようで回収していたのでホッとした。
だが典さんが滞在中も毎日宅配弁当が来てないか納屋を覗いていたようなので、覚えていたわけではないのかもしれない。
そして宅配弁当が休みになる週末用のお惣菜はかつおさんがたっぷり買ってきた。
それを冷蔵庫にしまっていて気付いたのだが、冷蔵庫の中には典さんの手作りお惣菜が大量に入っていた。
今まで作ったものの残り物だと思われる。
典さんが作ったものを綿子さんが捨てるわけがない。
こんなに大量に食べ物があって、傷む前に全部食べきれるだろうか?
ま、綿子さんの胃腸は超人並みなので少々傷んでいても大丈夫だろう。

そしてデイサービスがない週末は心配なんだけど、気遣い過ぎて今度はこちらに執着というか依存されても困るので適度に距離を保ちながら見守ることにした。

そして迎えた典さんが帰って初めての週末、心配をよそに綿子さんはとても大人しかった。
ほぼ寝ていたようだ。
典さんの滞在中、ずっとハイテンションだったので疲れがたまっていたのだろう。
保たれても困る

そして月曜日の今日。
またいつものようにデイサービスへ出かけて行った。
いつものルーティンにすんなり戻れたようだ。
良かった、良かった。


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8月14日 月曜日

昨日計画した通り、3人で高知の牧野植物園へ出かけた。
典さんLOVEな綿子さんは車まで見送りに来た。

綿「典夫、いつ頃帰ってくるんや?」

「4時過ぎには戻ると思うわ」

典さんは綿子さんのためにお昼ご飯も作っておいたそうだ。
せっかく久しぶりの友人に会いに行くというのに(嘘だけど)ご飯は適当に食べるからゆっくりしてこいと言えないのか?
やはりボケると自分のことばかりで周りを思いやることが出来なくなるのか?
考えてもしょうがない。
とにかく出かけている間は綿子さんのことは忘れて楽しもう!

幸い曇り空だったので植物園は楽しめた。
そこここの植物の横に『らんまんで紹介されました』という札が立っていて、「あのシーンで出てきたよな!」と盛り上がった。
展示館では牧野博士の生涯を知ることができるたし、温室では珍しい植物が植えられていてとても面白かった。
けれど植物園はとても広いので全部回るのは無理だった。
またリピートしたい。

存分に植物園を楽しみ、遅めのランチを食べて帰路についた。
家に着くと5時前だった。
予想通り、綿子さんは畑にいた。
典さんの帰りを待ち構えていたのだ。

車を停めていると綿子さんが寄ってきた。
典さんは綿子さんに歩み寄った。
綿子さんは典さんの顔を見ただけで満面の笑みだ。
それを見てかつおさんは「なんや、あの顔!」とこぼしていた。
かつおさんの事は眼中にない。
仕方ないよね。
典さんのようには優しく出来ない。
わたし達は綿子さんが待ち構えている姿が目に入っただけでうんざりする。

やっぱり普段そばにいる者は割が悪いよね。
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水曜日の夕方茂造さんがうちまでやって来た。
玄関を開けると

「かつおおるんな?」

「かつおさんはおるけど今手が離せんのや」

向こうの方からかつおさんが

「じいさん、何や?」

と尋ねた。

「典夫はどないしたんや?」

「典さんならとっくに帰ったぞ」

「ほうか。ならええ」

そう言ってあっさり帰って行った。

実は日曜日、典さんが茂造家を発つとき茂造さんはトイレに行っていた。
典さんはドア越しに「そしたら帰るわ」と声をかけたが返事はなかった。
耳が遠いのと用を足すことに集中していて聞こえなかったようだ。

「聞こえてないようやし、ちょっと待ったらわ」

と言うと綿子さんが

綿「ええ、ええ。後で私が帰ったって言うとくわ」

と急かして家を出たのだった。
きっと茂造さんも一緒に駅まで行くと言い出したら嫌だからだろう。

結局、茂造さんは典さんが帰ったことを綿子さんから聞いてなかったのか?
茂造さんが不憫でならない。
今生の別れかもしれないのはお前だけではないというのに



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