かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:認知症

昨日の続き

いぶきの森へ着くと綿子さんはスタッフさんに付き添われ4階へ戻って行った。
かつおさんはそれを見送った後、草野マネージャーからここ一週間の綿子さんの様子を聞いた。

草野さんの話によると、綿子さんは「家に帰りたい」とは言わず、穏やかに過ごしているそうだ。
そして米さんとは再会し、二人とも喜んでいたそうだ。
その事はさっき車の中で綿子さんからも聞いていたそうだ。
綿子さんは米さんのことを「ちょっと痴呆が進んできたみたいや」と言ったそうだ。
ちょっとどころでないはずだ。
もうかなり進んでいると聞いている。
数年前のこと、まだ米さんが自宅にいた頃、かつおさんが綿子さんに「米さんボケとるって噂に聞いたけどほんまか?」と尋ねると「そんなことないぞ。ボケとらへんわ」と言っていた。
米さんちはすぐ近所なので綿子さんはしょっちゅう顔を合わせていた。
綿子さんは本当に気付いてないのか、それとも認めたくないのかよく分からなかった。
デイサービスでさくら苑に通うようになって、入所していた米さんと再開した時も米さんがボケているとは言わなかった。
が、とうとう気付いたのか?認めたようだ。
やっとかい!

そして茂造さんとはやはり会おうとしないそうだ。
が、茂造さんのことを物陰からこっそり見ていたそうだ。
なので草野さんは「お父さんに会ってみる?」と声をかけたそうだ。
すると明らかに不機嫌そうな顔になり「ええ!!」と首を横に振ったそうだ。
そして急いで立ち去りながら後手でしっしっというように手を振ったそうだ。
あちゃ~。
よっぽど嫌なんだろうなぁ。
けど気にはなるという事かな。
茂造さんも嫌われたものだ。
そして茂造さんは綿子さんが同じいぶきの森にいる事を知らない。
ちょっと可哀そうな気もする。

とにかく綿子さんはいぶきの森で生活すると覚悟を決めたようだし、わりと楽しく過ごしているようだ。
大勢いるから夜、怖いという事もなくなっただろう。
なんとかなじんでいるようで一安心だ。

覚悟ができたのなら綿子さんも時々面会したり、家に連れて帰ったりできそうだ。
けど二人一度にという訳には行かないようだ。
めんどくさいなぁ。
倍の時間が必要になるじゃないか。
仲良くしてくれたらいいのに。
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4月6日 木曜日

今日も仕事帰りに、いぶきの森へ茂造さんの洗濯物を回収に寄った。
この時間になるともう受付に人はいなくて、ほぼ誰とも会うことがない。
自動ドアは入る時は問題なく開くのだが、帰る時はスタッフの詰め所につながるボタンを押して解錠してもらわないと開かないようになっている。
入所者が勝手に外に出るのを防止するためだろう。
解錠も遠隔で操作できるのでスタッフさんに会うこともない。
なので気楽に立ち寄ることが出来るのだが、用がある時はどうしたらいいんだろう?

実は月曜日に持ち帰った洗濯物の中に、よその人のタオルが紛れ込んでいた。
とりあえず洗ったがこれをどうすればいいのだろう?
茂造さんの着替えとは別の袋に入れてメモでも貼っておこうかとも考えたがそれで大丈夫だろうか?
というのも月曜日、着替えと一緒にストーマ袋を指定の箱の中に入れておいたのだが、翌日ストーマ袋が足りないので持って来てくださいと連絡があったのだ。
こういう連絡はかつおさんに入る。
かつおさんからわたしに「昨日持って行ってくれたんやろ?」と確認の電話があった。
「間違いなく持って行ったで。誰もおらんから着替えの箱に入れたで」
その後、どうなったか連絡はなかったので、箱の中から見つかったのだろう。
こんなことがあったので次からはどうすればいいのか確認したかった。

今日はできるだけ早く行ったがやはり受付は閉まっていた。
どうしようと思いながらとりあえず洗濯物置き場で茂造さんの物を探していたら、ちょうど仕事を終えて帰ろうとしているスタッフさんに会った。
私服に着替えられているが「こんにちわ。ありがとうございます」と挨拶してくれたのでスタッフさんだと分かった。
仕事を終えているようなので非常に申し訳ないが尋ねてみた。

「〇〇茂造の家のものなんですが、このタオルが間違って入っていたんです。洗濯はしたんですが、こういった時はどうすればいいですか?」

「あら、ごめんなさいね。ありがとうございます。こんな時は誰でもいいので職員に渡していただくか、その着替えの箱に入れておいてください。できれば電話を頂けると助かります。茂造さんのいらっしゃる2階には認知症が進んだ方が多いので、自分のものと他人の物の区別がつかない人が結構いらっしゃるんです。それでもって歩ける人も多いのでこういった事が時々あるんです」

「そうなんですね。あと、ストーマ袋はこの箱に入れない方がいいですか?」

「先日は申し訳ありませんでした。まだここの箱の中を回収する前にお電話してしまって。ちゃんとありました。でもストーマ袋は医療用具になりますし、もし紛失しても困りますので、できれば職員に渡していただく方が。そうか箱に入れたら電話していただければ、すぐ職員が取りに来ます」

「分かりました。次からは電話しますね」

「お願いします」

これで次からは困らない。
やっぱり分からないことは聞くに限る。
それにしてもこのスタッフさん、茂造さんのことも分かっていたし、先日のストーマ袋の件も知っていた。
たまたま通りかかったスタッフさんを捕まえて話したのだがラッキーだった。
この方も丁寧に対応してくれたし、このいぶきの森のスタッフさんは良い方が多いような気がする。
これからも茂造さんをどうかよろしくお願いします。
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昨日の続き

綿子さんの寝具の交換も終わり、エアコンのリモコンも見つかりやれやれと思っていたら、かつおさんが何やら騒いでいる。
どうしたんだろう?
かつおさんはトイレの汚れ具合を確認しようとトイレを覗いたら便座にカバーを付けているのを見つけたようだ。

「なんでこんなの付けるんや!便座もしょっちゅう汚すのに、かえって汚いやないか!」

綿「これ付けんとお尻が冷たいが」

えっ?
暖房便座なのになんで?

どうも夏の間にかつおさんが暖房便座のスイッチを切っていたらしい。
そら冷たいで。
でも綿子さんはこのトイレになって
「これお尻がぬくーてええわ~」
って言って喜んでいたじゃないか。
  ※証拠
  

そう言っていたのは、ほぼ1年前だが、夏前まで暖かい便座に座っていたのに忘れたんだろうか?

そう言えば今年はまだ電気ストーブも出していない。
冬の終わりにキレイに掃除して半透明のビニール袋をかけてフネさんの部屋に置いている。
綿子さんも茂造さんもその部屋に時々入るけど、それを見てもストーブだとは思わないようだ。
でもこの電気ストーブは茂造さんにはとってもキケンなので忘れているならその方が都合がいい。
  ※電気ストーブがキケンな理由
  

だからこそエアコンのリモコンが重要だったのだ。
寒さが厳しくなるととストーブの事を思い出してしまうかもしれない。
その前にエアコンをつけてある程度暖かくしておかないと。
二人とも台所のエアコンの事は眼中にないようでスイッチが入っていても切れていても全く気付いていない。
なのでこの夏はずーーっと冷房が入ったままになっていた。
綿子さんはいくら「エアコンをつけろ」言っても「もったいない」と言ってつけないので勝手につけておいたのだ。
目の敵

今回も暖房をつけたけど気付いていない。
この冬、エアコンはつけっぱなしになるだろう。
電気代の事を考えると恐ろしいが火事になるよりましだ。

それにしても新しい物の事は全部忘れてしまっている。
暖房便座も電気ストーブも去年の冬から使うようになったものだ。
これは老化か?それとも認知症だからなのか?


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今回の受診では、先生のお礼状にも書いてあったが血液検査や長谷川式テストを行ったそうだ。
長谷川式テストというのは認知症をスクリーニングするための簡易的な認知機能検査なのだそうだ。

看護師さんから「準備をしますので少しお待ちくださいね」と告げられ廊下で待っていると綿子さんが
「今日は8日かのぉ?」
と言ったそうだ。
テストでこういう質問をされるという事は分かっているようだ。

「そうや、今日は8日や。そんなんは分かるんやのぉ」

と言いながらふと前を見ると大きな日めくりカレンダーが壁に掛かっていたそうだ。

「おかん、これ見て言うたんか?」

綿「そうや」

なんでこんなところにカレンダー掛けとるんや。
今、ここで覚えてしもたやん。
とかつおさんは思ったそうだ。

そして数分後、部屋に呼ばれテストが始まった。

看「今日は何日ですか?」

綿「え~と、7日かなぁ」

後ろで見守っていたかつおさんは思わず小さなガッツポーズをしたそうだ。
そして

「さっき8日って言うとったやん」

わざと突っ込んだそうだ。
あほだ

「廊下のカレンダー見て今日は8日やのぉって確認してたんです」

看護師さんにしっかりと伝えたそうだ。

看「緊張してるんですかねぇ」

看護師さんもそう言うしかないよね。

主治医の意見書の方はなんとか上手くいきそうだ。
次は調査員の聞き取り調査だ。
これもなんとか上手くいきますように。



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今日はかつおさんが綿子さんを認知症外来のある病院へ連れて行った。
昨日苦労して書き上げた予診票を持って。

半日はつぶれる覚悟で出向いたのだったが思いのほかあっさり終わったそうだ。

実は数年前、茂造さんがまだ車の運転をしていた頃、赤信号を無視して警察に捕まったことがあった。
その時、警察官から「認知症の疑いがあるので病院を受診してください」と言われた。
その時、今回の病院ではなく警察官にきいた病院を受診したのだがそこでは色々な検査をしたり、外部から専門の方を呼んでテストをしたりとずい分時間と手間がかかった。
なので時間がかかるものだと思っていた。

しかしこの病院は全く違っていた。
持参した予診票を見ながらいろいろ質問してくる。
綿子さんとかつおさんと先生の三者面談の様な雰囲気だ。
で、今どんな事に困っているのか?とか
どういうときに認知症ではないかと思ったのか?とか聞かれたそうだ。
かつおさんは一生懸命、野焼き事件のこととかIH&照明のスイッチが分からなくなることなどを説明した。
しかし、綿子さんのいる所で
あの聞き分けのない子供の様に手を振り回して自己主張したことや
スーパーで般若の様な顔をして手当たり次第に買い物かごに商品を入れていったこと、
リハビリ野郎に執着していたことなどは話せる訳もなく。
綿子さんに聞かれても当たり障りのないことだけしか喋ることができなかった。
そして脳のレントゲンを撮る訳でもなく、テストをする訳でもなく診察は終わったのだった。
セーラー綿子

先生いわく認知症の程度は【低】なのだそうだ。
そして治療といっても薬を飲むくらいだが、この薬というのも「痴呆が治るわけでなく進行を遅らせるだけのもので副作用もあるし飲んでも効果が出ない人もいます」と言って積極的な治療は勧められなかった。というか治療には消極的な感じを受けたそうだ。
そして「薬どうします?」と尋ねられたのでかつおさんは断ったそうだ。

かつおさんは

「何しに行ったんか分からんわ。
  こんなんやったら行くんでなかったわ」

とぼやいている。

「前に茂造さんを連れて行った病院に行けばよかったわ」

と後悔している。

評判がいいときいて行ってみたが、うちには合わなかったようだ。
やっぱり病院選びは難しい。


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