かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(92歳)と綿子さん(89歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:誕生日

ところで明日はかつおさんの誕生日。
綿子さんはここ数年いつも忘れているのだが。
翔ちゃんやハルちゃん、わたしの誕生日は覚えているのだが、かつおさんだけは忘れられている。
ま、3人の誕生日は近い(9月と10月)からだと思うのだけど。
とにかく自分が生んだ子の誕生日を忘れるとは何とも切ない。

一応、綿子さんに明日がかつおさんの誕生日だと伝えた。

「明日はかつおさんの誕生日やで。今年も出張中で一人淋しい誕生日やな。可哀そうに」

綿「えっ?」

むっちゃ戸惑った顔をしている。
やはり完全に頭に無かったようだ。

「もう59歳やで~。来年は還暦や」

綿「ほうな。そんなになるんな」

「今年は前厄やから薬王寺にお参りに行ったんや」

綿「ほなかつおに年金から1万渡しといて」

「分かった」

綿子さんの年金の管理はかつおさんがやっていてわたしはノータッチなんだけど説明するのも面倒なので分かったと言っておいた。

とにかく今年はお祝いがゲットできたで。
良かったね、かつおさん。
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そういえば去年のお正月も綿子さんは佐藤病院に入院していて家で過ごせなかったよな。
まだコロナの制限もあっったし、年末にインフルエンザが流行したから、いぶきの森に入所中の茂造さんも外出禁止になって家に戻れなかったっけ。
おかげでゆったりしたお正月を過ごせたよな。

けど誕生日なのに病院で過ごす綿子さんが気の毒で誕生祝いにフラワーアレンジメントを届けたんだった。
お見舞いと言えば花だと何の躊躇もなく花を届けたが、あとで今どきの病院は花の持ち込みを禁止しているところも多いと聞いて驚いた。
あの時は断られなくて良かった。

いぶきの森ではどうだろう?
やはり先に確認しないといけないだろう。
以前、花を持って来ていいか聞いた事がある。
その時は綿子さんに花のお世話をさせるのが目的だった。
少しでも家に居た時のように過ごせたら、それに何かやるべき事があると生活に張りが出るだろうと考えてのことだった。
施設の方でも検討してくれていたが、その最中に骨折して花のお世話どころではなくなってしまい話が立ち消えになっていた。
が、その後、綿子さんがすっかり元気になった頃、鉢植えの花を用意してくれて廊下で育てるよう取り計らってくれた。
綿子さんはとても嬉しそうだった。
ほんとありがたい。
けどこのことからも部屋に花を置くのは難しいのでは?と思った。
一人部屋でもないし、だいいち花を飾る場所がない。
なのでやっぱりやめておこう。

花がダメとなると他に何を贈ればいいんだ?
食べ物は目の前で食べてしまうのを確認しないといけないのでスタッフにことづける事はできない。
かといって5分の面会をしてその間に食べさせるのも無理だ。
こちらは二重マスクにゴム手袋をしていても綿子さんがマスクを外すことになるんだから無理だ。
それにもしも綿子さんが感染していて発症していないだけかもしれないと考えると恐ろしくて嫌だ。

なら衣類でもと思ったが急なこと過ぎて買いに行く暇がなかった。
なので今回、何も届ける事が出来なかった。
申し訳ない。
ごめんね、綿子さん。
今しばらく待ってってね。
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12月20日 金曜日

かつおさんが出張から戻って来た。
といってもまた日曜日の夕方から出張先に戻るのだが。

色々報告や相談をしなくてはならないことがある。
とにかく急ぐのが茂&綿をお正月にどうするのかだ。
いぶきの森からは何度もお正月の予定が決まったら教えてくださいと言われていた。

何時連れて帰るのか?
何回連れて帰るのか?
外泊させるのか?

「正月いつ連れて帰るん?はよ決めて施設に言わないかんやん」

「おう。それが電話がかかってきまくって困ったんや!」

いつまで経っても返事をしないから催促の電話がかかってきたのだろう。

「マネージャーが「いつ連れて帰られますか?それに宿泊はいかがですか?」って言うんや」

「えっ?泊り?」

「そうなんや。向こうはやたら泊りをプッシュしてくるんや。いや~それはムリですって必死で断ったんや」

「ところで典さんは?帰ってくるん?」

か「アニキは帰って来ん」

「連絡あったんや」

「いや、直接会うて聞いたんや」

そうか出張の前半は関東だったっけ。

「アニキが帰ってくるんやったら泊りも考えたけど、帰って来んのに無理や!」

「そら、無理やな。でもマネージャーは何べんも泊りを勧めてきたんやろ。家に帰らせて一人にしても大丈夫やと思っとるってことやろ。マジ⁈」

「いや、泊りをと言われたんは1回だけや」

「えっ?さっき何べんも電話がかかってきてプッシュされて困ったって言うとったやん」

「いや~それくらい困ったってことでちょっとオーバーに言うてしもたんや~」

はぁ?
大事なところでウソを混ぜるな!!
何回も言われたのと1回だけ言われたのでは大違いじゃないか!
正しい情報を伝えろ!!
そのウソのせいで綿子さんの担当マネージャーがポンコツかと勘違いしたじゃないか。
草野さん失礼しました。
ポンコツなのはかつおさんでした。

で結局1月1日に二人を連れて帰ることに決めた。
この日は綿子さんの誕生日だからやはり1日がいいだろう。
で、二人を別々の日に連れて帰るのはなし、泊りもなしという結論に至った。
ちょっとはゆっくり休ませてください。
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10月12日 土曜日

今日は翔ちゃんがやって来た。
久しぶりに茂&綿に顔を見せに行くためだ。
という事で3時くらいから翔ちゃんとかつおさんとゆうくんと4人で面会に行った。
綿子さんは昨日入浴したそうなので時間を気にせず訪問できた。

まずは4階の綿子さんのもとへ。
エレベーターを降りると結構なボリュームで演歌が流れていた。
デイルームには人がいっぱいだ。
テレビの画面に演歌歌手が映っていた。
みなさんやっぱり演歌が好きなのね。
綿子さんも大好きだ。
歌うのも好きで昔は歌を習いに行ったりもしていた。
なので結構上手い。

せっかく楽しんでいるところだったのに悪いなぁ。
けど綿子さんはゆうくんに気づくとすぐ立ち上がり嬉しそうに寄って来た。

綿「来てくれたんか~」

そして翔ちゃんに気づくと「翔ちゃんも来てくれたんか~」と大喜びだ。
と、そこで気付いたのだが綿子さんが手にしていたのはシルバーカーだった。
とうとう歩行器は卒業したようだ。

それからみんなで部屋へ移動した。
今日は部屋は空だったので気兼ねせずにゆっくり話せた。
いつものようにゆうくんをベッドに乗せると、すぐさま寝返りをする。
綿子さんは「素早くなったなぁ」と目を細めていた。
そして翔ちゃんに向かって

綿「まさか翔ちゃんに会えると思わなんだわ。ありがとのぉ」

と言った。
そしてかつおさんに

綿「この子に私に年金から少しでも小遣いを」

と言いかけたところで

「おれ、この間誕生日やったんや」

綿「ああそうか。10月やの。そしたら私の年金から1万やっといてくれ、かつお」

「ありがとう!」

翔ちゃんさてはこれが目的やったな!

「ハルちゃんも先月誕生日やったんや。それにおかんももうすぐ誕生日や」

綿「そしたらハルちゃんと好子さんにも1万ずつ渡してくれ」

「ありがとう」

あら、翔ちゃんのおかげで思わぬ臨時収入だ。
サンキュー!翔ちゃん。

「わしは6月が誕生日やったんや」

綿「・・・・」

華麗にスルーされたのだった(笑)

綿「翔ちゃん、なんぼになったん?」

「31や」

綿「もう早よ結婚せな!付き合いよる人はおるんか?」

「今はおらん。まあちょっと待ってくれ!2~3年の内には結婚するから~」

1万円の代償は痛かったようだ(笑)
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7月27日 土曜日

今日は茂造さんの92歳のお誕生日!!
おめでとう!!
という事で家に連れて帰ってお祝いを!
10時半ごろかつおさんと翔ちゃん(朝から駆けつけた)で茂造さんを迎えに行った。
わたしとハルちゃんとで茂造さんちで迎える準備だ。
今日のお昼ご飯には近所の食堂で鰻入りのお弁当を買ってきた。
それと大好物のショートケーキも用意した。
これでバッチリだ。

茂造さんは家に着くなり大きな声で「ここは覚えとる!」とか「あぁ思い出した!」と記憶の確認に忙しい。

「やっと家に帰って来れたが~。何年あそこで居ったんかのぉ?」

イヤイヤ、外出しただけで夕方には戻るんやで!
まさかもうずっとここにいるつもりじゃないよな?
恐ろしい事を言わないでほしい。

そしていつものようにわたし達の点呼が始まった。

Ⓐ「あんた誰な?」
「かつおや」
「あんた誰な?」
「好子や」
「あんた誰な?」
「翔平や」
「あんた誰な?」
「ハルや」
Ⓐに戻る

延々ループだ。
聞いたそばから忘れてしまう…。
ま、とにかくお昼にしよう。

テーブルに着いた茂造さんの前にお弁当を置くと「おお~美味そうや~」と目を輝かせた。
そして目の前に座っている翔ちゃんに向かって「ビール無いんか?」と言い出した。

「ない!」

「なんで用意してないんや!ビールか酒は無いんか?飲みたいが!」

まさかアルコールを欲しがるとは⁉
入所してからお酒は飲んでいないし、入所前もほとんど飲まなくなっていたのに。
それに飲ませるのは施設的にNGだろう。
実は目の前で翔ちゃんは缶ビールを飲んでいた。

「お前それ何飲んどんや?」

「ジュースや」

「ほうか。酒と違うんか」

騙されてくれた。
ホッとした。
そしてコップにお茶を注いでみんなで乾杯した。

「じいさん誕生日おめでとう!」

「わしの誕生日は7月17日や」

「いやいや違うやん。27日やが。今日やで」

「ほうか?」

相変わらず17日が誕生日だと思っている。
なかなか修正できないようだ。

茂造さんは黙々とお弁当を食べた。
時々「美味いのぉ!」と言う。
施設ではずっと喋りながら食べているらしいのに今日はどうしたんだ?
あまりの美味しさに口数が減っているのだろうか?
このお弁当、施設で食べている量に比べるとはるかに多い。
なので「無理して食べきらんでええからな。残してええんで」と声をかけた。
が、どんどん食べる。
食べすぎでは?大丈夫か?心配になる。
ほぼほぼ食べ終わったが鰻は残っていた。
もしかして鰻は嫌いだったのか?
けど心配は無用だった。
最後に美味しそうに食べた。
好きなものは取っておくタイプなのね。
そして完食してしまった。
これでいつものように昼寝に行くだろう。

「じいさん、寝るか?」

「おう、疲れたから寝るわ」

ベッドへ誘導し寝かせた。
やれやれ、やっと一息つけると思ったら茂造さんはすぐ起きてきた。

「どうしたん?」

「せっかくやからみんなのとこにおるわ」

マジか⁉
こんなことを言い出したのは初めてだ。
茂造さんをリビングに連れて行った。
そしてまたも点呼が始まったのだった。
一休みさせてくれ!!
ひとりでいけよ

続く

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