かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:誰か分からない

12月7日 日曜日

今日は麦さんと一緒に綿子さんのお見舞いに。
面会は家族のみと制限されているが、麦さんは綿子さんと血のつながった妹なんだからいいでしょ。
快世病院では病棟の入り口で検温し面会カードを記入しなければならない。
説明が面倒だし、万が一ダメですと言われたら困るので面会カードには綿子さんの苗字で記入した。
そしてインターホンを押して看護師さんが鍵を開けてくれるのを待つ。
これがなかなか来ない。
人手不足なのだろう。
いつ見ても看護師さんは忙しそうだ。
ところでこの病棟は日当たりが悪いのか廊下が薄暗い。
いぶきの森が明るかった分、なんだかどんよりしているように感じてしまう。
やはり早く退院できるように綿子さんに頑張ってもらわないと。

ようやく看護師さんが来て中に入ることができた。
部屋に入ると綿子さんは寝ていた。
どうしよう?と相談していたら目が開いた。
よかった~。
せっかく来たからね。
それに明日から家族も面会禁止で当分会えないもの。

麦さんが「綿ちゃん大変やったなぁ~」と声をかけた。
が、綿子さんの反応が鈍い。
寝起きだから?

「わたし誰か分かる?」

綿子さんは首を横に振った。
えっ?マジ⁉

「私やん」

綿「誰やろか?」

思わず

「麦さんやで」

と言ってしまった。
すると

綿「あ~」

なんとか分かったようだ。
なんかヤバいなぁ。
ここ数日でボケが進んでる?

とりあえず麦さんを思い出したようなので後は麦さんとかつおさんに任せてわたしは詰め所へ。
テレビの申込書を出しに行った。

看「イヤホンはお持ちですか?」

「はい、持ってきました」

看「じゃあセットしますね」

部屋に行き、何やらスイッチを入れるとテレビがついた。
いつもの綿子さんなら「うわ~良かった~」と言うところだが、今日の綿子さんは反応が無い。
ほんと大丈夫か?

しばらく話をしているとだんだん調子が戻ってきた。

「ここは昔、ばあちゃんが入院しとったよなぁ」

綿「そうや、そうや」

「あの頃よりずいぶんきれいになったな」

ばあちゃんが入院したのってわたしが結婚するより前のことなので30年以上前のことだ。
やはり昔のことはよく覚えているのねぇ。

そんな話をしていると隣の人のところにもお見舞いの方がいらした。
プリンを持参して食べさせていた。
綿子さんにも少し甘いものを食べさせても大丈夫かしら?
でも飲み込みに不安があるって言ってたからどうかしら?
そこでまた詰め所に行って尋ねてみた。
すると少々ならいいですよとの事だった。
そこでリンゴジュースを買ってきた。
これも病棟から出ないといけないので、出る時、入る時といちいち鍵を開けてもらわなくてはならず恐縮だった。
ホント不便だ。
ジュースを買って病棟に戻ると「確かとろみ剤を使ってましたよね。一緒にいきます」と言ってくれた。
一旦、とろみ剤無しで飲ませてみたらむせることなく飲めた。
「混ぜなくても大丈夫そうですね」
そのまま飲むことに。
良かった。
徐々に回復しているということだろう。

続く

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そして2階へ

茂造さんはデイルームにいた。
いつものテーブルで一人だが、向きが変わってデイルームの皆がいる方を向いて座っていた。
ちょっとボッチ感が薄くなってる。
この間、わたしが畑田さんに言ったからかな?
多分そうだろう。
こうやってすぐ対応してくれるところが素晴らしいよね。

「茂造さん、こんにちは!」

「・・・・」

誰か分かっていない。
考えているがやはり分からない。

「ゆうきも来たよ」

「おっ!ゆうくんか~」

ゆうくんだけは分かるのよね。

「茂造さん、部屋に行こう」

「部屋か?よっしゃ」

立ち上がって部屋に向かう。
が、足取りはバッチリとは言い難い。
けど自らちゃんと手すりを持って自分のペースで歩くので転ぶことはないように思える。
この注意力が綿子さんにもあればいいのに。

部屋に着き、さっそく北海道チーズ蒸しケーキを渡した。

「歯がないが~」

あちゃ~うっかり。
ハルちゃんが急いで入れ歯を貰いに行ってくれた。
入れ歯を入れると美味しそうに蒸しケーキを食べ、柿も全部平らげ「あ~美味かった」とにっこり。
食べ始めてから食べ終わるまで、ものの数分だ。
気持ちのいい食べっぷりだ。
綿子さんもこのくらいあっさり美味しく食べてくれたらいいのにとつい思ってしまう。
しかし茂造さんはこの後が問題だ。
入れ歯を外して舐め回す。
ゆうくんには見せられない姿だ。
教育上悪いもの。


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昨日の続き

綿「今日は3時に人が来るって言われて、誰が来るんやろ?って思うとったんや。かつお達やったんやなぁ」

いやいや、絶対わたし達が来るって伝えられていたはずだ。
ま、ええけど。

綿「じいさんも一緒にって言われたけど断ったんやんや。私がここに居るって知ったら何をするかわからんやろ。私の部屋まで押しかけて来るかも知れんし」

「マネージャーから聞いたわ。じいさんに会いとうないんやろが。けどじいさんがばあさんに会うても誰か分からんと思うぞ。わしのことやって会うても誰か分からんのや」

「そうそう。いつも秀夫か?って言われとるやんな」

綿「秀夫?秀夫は弟やのに、何を言うとるんやろかじいさんは」

「じいさんは秀夫や梅やって昔のことばっかり言うて、わしやよっちゃんや孫のことは分からんし、名前も出てこんのや」

綿「ほうか」

そうやで、綿子さんの名前も出てこんで。
そう言ってしまおうかと思ったがやめた。

「ところで昼間は何をしよん?体操とか塗り絵とかしよん?」

綿「廊下をずーーっと歩いとるんや。ここの人が横についてくれてな。何回か歩いたら終わりやけど、もっと歩いてもええんな?って聞いたらええよって言うから一人でも歩いとるんや。転んだらいかんから杖は持ってな」

杖を持つことはスタッフさんからかなりしつこく言われているようだ。

「そらええことや」

綿「足が弱ったらいかんからのぉ」

「シルバーカーは使ってないん?」

綿「へっ?」

「押し車やが」

綿「ああ、あれはベッドの横に置いとる」

「歩くときに使わんの?」

綿「そやな。あれカゴがあるやろ。あの中に自分の物を入れとるんや」

どうも物置になっているようだ。
やっぱり予想したとおりというか予想の上をいっている。
もう少し面会や外出が緩和されたら茂造さんの面会に行って、外に散歩に連れだすときに使おうと思っていた。
外に連れ出した時にこそっとおやつを食べさせてあげよう。
これは年末にかっちゃん達に会った時に米さんにおやつを食べさせる方法として教えてもらっていた。
いぶきの森は食べ物の持ち込みは不可なので、散歩に連れ出して外でこっそりおやつを食べさせていると聞いたのだった。
それいいじゃん!
その時にシルバーカーがあれば椅子代わりにもなるからいいなと考えていたのだ。
でも物置にしてたらそれも出来ないかもしれない。
まいったなぁ。

続く

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