次に2階の茂造さんのもとへ。
入り口横の詰め所には看護師の大井さんと黒田さんがいた。

「いつもお世話になります。コレ茂造さんの牛乳です。お願いします」

大「はい、ありがとうございます」

「今日はちょうど茂造さんの誕生日なんですよ~」

大「あら、そうだったのね」

黒「今からパーティー?(笑)」

「いえいえ」

二人と話して分かったが、やはりいぶきの森では誕生日だからといって特別なことはしないのね。
誕生日を把握して無いもの。
ちょっと寂しい気もするが仕方ないよね。

茂造さんはデイルームの指定席にいた。

「こんにちは」

「腹が減ったがー!」

おっと、いきなりかい!
相変わらずだなぁ。

部屋に連れて行き北海道チーズ蒸しケーキを渡した。
一応、名前に『ケーキ』とついてはいるがやはりケーキ感は薄い。
やはり生クリームたっぷりのショートケーキにすればよかった。
今日は時間がなくて買ってくることができなかった。
実は近所のひいきにしていたケーキ屋さんが閉店してしまい、今ケーキ屋難民なのだ。
美味しくって小ぶりなショートケーキを売っている店を開拓しなくては。

で、今日はすでに入れ歯が入っていた。
もう少しでお昼ご飯だからかな?
といってもまだ1時間は先なんだけど。

茂造さんは相変わらず食べる前から「美味い!」と言う(笑)
夢中でチーズ蒸しケーキを食べている茂造さんにかつおさんが話しかけた。

「じいさん、今日は何の日か分かるか?」

「今日か?知らん」

「今日は7月27日やぞ」

「知らん」

食べている茂造さんに話しかけても無駄では?
茂造さんはすぐに食べ終わった。

「じいさん、じいさんの誕生日っていつやったかのぉ?」

「わしの誕生日は昭和16年12月・・・」

「ちゃう、ちゃう!じいさんの誕生日は昭和7年7月27日やろが。今日やないか」

どうしたんだ⁉
いつも大声で自分の個人情報を垂れ流している時はバッチリだったのに、今日に限って間違えるなんて。
今日は調子悪いのね。

「ほうか。わし誕生日か」

「そやで、今日が誕生日やで。今日で93歳や」

「わしの誕生日は昭和7年7月27日、92歳!」

おしい!93や。

「違うで、93歳やで」

「ほうか」

ようやく理解したかと思ったが、1分後には

「わしの誕生日は昭和7年7月27日、92歳!」

「だから!93歳やって」

「ほうか」

このやり取りは何度も繰り返された。
が、茂造さんはまだ92歳だそうだ。
やっぱ調子悪いな。
ダメだこりゃ。

何はともあれ、お誕生日おめでとう茂造さん。
めざせ100歳!
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