かつおさん家のボケボケ介護日記

はじめまして好子です。アラフィフの会社員です。 高齢の義両親・茂造さん(93歳)と綿子さん(91歳)の介護をする夫・かつおさんのサポートをしております。 ここにグチを吐き出しながら明るく頑張っていきたいと思います。

タグ:麦さん

3月1日 日曜日

久しぶりに翔ちゃんが来たので今日もみんなで茂&綿の面会へ。
かつおさんと翔ちゃんとハルちゃんとゆうくんとわたしの5人だ。
綿子さんは大勢来たことに大喜び。
2日連続ということには気づいてない様子だ。
多分昨日の事は忘れているのだろう。

いつもの日向ぼっこスペースで面会したのだが、終始満面の笑みだった。
そこへ通りかかった看護師の大井さんが「あら今日は大勢来てくれとるやないの~、良かったなぁ綿子さん」と声をかけてくれた。
そして「せっかくだから写真撮ったらは?私が撮ってあげるわ」と言ってくれた。
そこでみんなで並んで撮ってもらうことに。
「マスク外していいですよ」と言ってくれたので久しぶりにみんな素顔で写真に納まった。
「今度焼いてくるわ」というと「うわ~楽しみや~」ととても喜んだ。
今日は最高の日になったね(笑)

翔ちゃんが「麦さんは時々来てくれよん?」と尋ねたら「来てない」と言う。
いやいや、半月前に来てくれたやん。
それも覚えてないのね。
とにかく短期記憶が弱っているのが分かる。
かつおさんは『麦さん』と聞いて「また栗おこわが食べたいの~」と言い出した。
綿子さんも「麦さんがよう栗おこわ作って持って来てくれよった。また食べたいのぉ」と言った。
かつおさんが「そしたら電話してみようか」と電話をかけた。
が、あいにくでない。
残念。
それじゃあと典さんに電話をかけたがこれまた出ない。
残念。
またの機会だね。

綿子さんの面会を終えるともう昼食の時間だった。
なので茂造さんは次回にしようといぶきの森を後にしたのだった。
茂造さんはもう翔ちゃんのことも分からないからね。
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これも19日のこと

夜ご飯を食べているとかつおさんが昨日麦さんから連絡があったんやと言い出した。

「土曜日にばあさんに会いに行ってくれたんやって。よっちゃんに言うの忘れとったわ」

はいはい。
いつものことよね。

麦さんは思ったより綿子さんがしっかりしていてほっとしたそうだ。
ちゃんと受け答えはできていたそうだ。
けれど一緒に行ったきいちゃん(麦さんの娘さん)のことは最後まで分からずだったそう。
まじかー。
昨年の1月に会ったときは「久しぶりに会えてよかったわ~」と泣いてたのにね。

それによく考えると麦さんが訪問したのが土曜日なら、わたしたちが訪問した前日じゃないか。
けれど昨日麦さんが来たなんて話は全くしなかったよね。
昨日のことも忘れてしまうのか。
やはりかなり痴呆が進んでいるようだ。

「ところでかっちゃんには綿子さんが退院したって連絡したん?」

「あっ!忘れとった」

かっちゃんからは退院したらお見舞いに行くから教えてねと言われていたのに。
かつおさんは慌てて連絡したのだった。
やれやれ。
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12月7日 日曜日

今日は麦さんと一緒に綿子さんのお見舞いに。
面会は家族のみと制限されているが、麦さんは綿子さんと血のつながった妹なんだからいいでしょ。
快世病院では病棟の入り口で検温し面会カードを記入しなければならない。
説明が面倒だし、万が一ダメですと言われたら困るので面会カードには綿子さんの苗字で記入した。
そしてインターホンを押して看護師さんが鍵を開けてくれるのを待つ。
これがなかなか来ない。
人手不足なのだろう。
いつ見ても看護師さんは忙しそうだ。
ところでこの病棟は日当たりが悪いのか廊下が薄暗い。
いぶきの森が明るかった分、なんだかどんよりしているように感じてしまう。
やはり早く退院できるように綿子さんに頑張ってもらわないと。

ようやく看護師さんが来て中に入ることができた。
部屋に入ると綿子さんは寝ていた。
どうしよう?と相談していたら目が開いた。
よかった~。
せっかく来たからね。
それに明日から家族も面会禁止で当分会えないもの。

麦さんが「綿ちゃん大変やったなぁ~」と声をかけた。
が、綿子さんの反応が鈍い。
寝起きだから?

「わたし誰か分かる?」

綿子さんは首を横に振った。
えっ?マジ⁉

「私やん」

綿「誰やろか?」

思わず

「麦さんやで」

と言ってしまった。
すると

綿「あ~」

なんとか分かったようだ。
なんかヤバいなぁ。
ここ数日でボケが進んでる?

とりあえず麦さんを思い出したようなので後は麦さんとかつおさんに任せてわたしは詰め所へ。
テレビの申込書を出しに行った。

看「イヤホンはお持ちですか?」

「はい、持ってきました」

看「じゃあセットしますね」

部屋に行き、何やらスイッチを入れるとテレビがついた。
いつもの綿子さんなら「うわ~良かった~」と言うところだが、今日の綿子さんは反応が無い。
ほんと大丈夫か?

しばらく話をしているとだんだん調子が戻ってきた。

「ここは昔、ばあちゃんが入院しとったよなぁ」

綿「そうや、そうや」

「あの頃よりずいぶんきれいになったな」

ばあちゃんが入院したのってわたしが結婚するより前のことなので30年以上前のことだ。
やはり昔のことはよく覚えているのねぇ。

そんな話をしていると隣の人のところにもお見舞いの方がいらした。
プリンを持参して食べさせていた。
綿子さんにも少し甘いものを食べさせても大丈夫かしら?
でも飲み込みに不安があるって言ってたからどうかしら?
そこでまた詰め所に行って尋ねてみた。
すると少々ならいいですよとの事だった。
そこでリンゴジュースを買ってきた。
これも病棟から出ないといけないので、出る時、入る時といちいち鍵を開けてもらわなくてはならず恐縮だった。
ホント不便だ。
ジュースを買って病棟に戻ると「確かとろみ剤を使ってましたよね。一緒にいきます」と言ってくれた。
一旦、とろみ剤無しで飲ませてみたらむせることなく飲めた。
「混ぜなくても大丈夫そうですね」
そのまま飲むことに。
良かった。
徐々に回復しているということだろう。

続く

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10月4日 土曜日

朝、麦さんがお米を取りにやってきた。
タイミングが悪くちょうどかつおさんが田んぼへ出かけていたので戻ってくるのを待つことに。
わたしと麦さんでは30㎏の袋を運べないもの。

麦さんはお手製の栗おこわを持って来てくれた。

「ありがとうございます。午後から綿子さんの面会に行くから持って行って食べさせますね」

「綿ちゃんどうなん?」

「パーキンソンの事は聞きました?」

「こないだかつおちゃんから聞いたわ。絶対、退所やしたらいかんで。家に戻ってどうやって生活するんな。かつおちゃんや好子さんの負担が増えるばっかりやがな。もうな、治療せんでええがな」

ありがたい。
わたし達の考えに賛成してくれている。

「ところでどんな様子か動画は見た?」

「え、見てないわ」

かつおさんとは電話で話しただけだったのね。
そこで綿子さんの様子を撮影した動画を見てもらった。

「うわ~これ勝手に動いとるんやろ?」

「そうみたい。本人は自覚無くって、動いとることにもあまり気付いてないみたいなんや」

「やっぱりあそこを出るのはイカンわ。こんなのに一人では無理や」

「おばさんもそう思います?けどね、この間、介護認定の更新があって、調査員が聞きとりに来たんですけどね」

先日の聞き取り時の様子を話すと麦さんも驚いていた。

「出来る、出来る言わんと出来ませんって言うとけばええのに。あそこに居れんようになったらどうするんよ、なぁ!家に戻ることになったら結局自分が困るのに」

さすが麦さん、ちゃんと分かってらっしゃる!
けど麦さんももう82歳。
近い将来、介護認定を受けるときはこれを思い出して見栄を張らないように気をつけてくださいね。
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綿子さんが仏壇のお参りを済ませリビングに戻るとちょうどハルちゃんとゆうくん、そして翔ちゃんがやってきた。
ほっ。
助かったー!
一気に場が明るくなった。
茂&綿を家に連れて帰る時にはいつもハルちゃんと翔ちゃんにヘルプをお願いしている。
人手は多い方がいい。
そして麦さんも来てくれた。
皆が来てくれて綿子さんもようやく笑顔になった。

弁当を取りに行っていたかつおさんも戻ってきた。
茂造さんも大勢、人がいると嬉しいようだ。
そして次第に色々思い出してきたようで、ようやく綿子さんのことを認識したようだった。

「あれ、綿ちゃんやろが?わしの奥さんやのぉ」

「そうやで」

「だいぶ思い出してきたわ」

「それは良かった」

「わしの頭はボロになってしもたんや。ようけ忘れてしもうたが。ほんまボロになってしもて」

この「ボロになってしもた」は何度も何度も繰り返していた。
一応、自覚はあるのね。

麦さんは綿子さんの顔を見に寄っただけで今日はすぐ帰るそうだ。
そりゃあお盆だし、麦さんも忙しいのだろう。
そんな中、わざわざ寄ってくれてありがたい。
麦さんが帰るというので皆で外まで見送りに行った。
茂造さんは歩くのが拙いので残った。
なのでわたしも残り、昼食の準備をした。

台所でテーブルに弁当を並べたりコップを並べていると茂造さんが「腹減ったが~」と言いながらやってきた。

「今、準備しよるからな。ちょっと待っとってな」

「おっ!美味そうや!」

「皆がそろってから食べようで。ちょっと待っとって」

「おう」

以前の茂造さんなら先に食べ始めていただろう。
いぶきの森で集団生活をして少しは周りに合わせることを覚えたようだ。
人間、いくつになっても成長できるものなのねぇ。

が、皆はなかなか戻ってこない。
名残惜しくてなかなか別れられないのかな?
茂造さんはお弁当を前にソワソワ、ソワソワ。
何度も時計を見上げて
「もう12時やから戻ってくるやろのぉ」
「もう12時過ぎたがー!なんしょんやろかのぉ」
「もう食べようか」

「みんなと一緒に食べんの?」

「そやな。待つわ」

そう言いながらも弁当のふたを開けてみたり、箸を手に取ってみたり、時計を眺めてみたりとホント落ち着かない。
なんだか必死で我慢している姿がなんだかかわいい(笑)
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